本コラムでは、ポルトガル第二の都市ポルトで開催された広報・PR関連の国際イベント、「IPRN AGM 2025」について、筆者、Key Message International代表取締役の岩澤康一氏が現地参加した際に得た知見や抱いた所見をお届けします。
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大航海時代の栄光と郷愁、地終わり海始まる場所
「ここに地終わり 海始まる」
ポルトガルの詩人ルイス・デ・カモンイスの詩の一節です。宮本輝氏による小説のタイトルにもなりました。この一節が刻まれた石碑が建つ岬がポルトガルの首都リスボン近郊にあるロカ岬。北緯38度47分、西経9度30分に位置する、ユーラシア大陸の西の果てです。
ロカ岬(筆者撮影)
15世紀に始まった大航海時代。先駆けの雄となったポルトガルの往時の栄光は、このロカ岬から先へと進む大航海がもたらしたものでした。ポルトガル人の民族感情を代表する言葉であるサウダージ(ポルトガル語で郷愁、憧憬、思慕、切なさなどの意味)は、大ヒットしたJポップ曲のタイトルにもなりましたね。サウダージは当時の航海士らが、航海先の地で遠い故郷の家族や恋人を思う気持ちを表したものと言われます。
私もユーラシア大陸の東の果て、日本を思いサウダージを感じながら、欧州PRの最前線を感じるために現地取材を続けました。
ロカ岬から臨む大西洋(筆者撮影)
今年のIPRN AGM 2025の開催地はポルトガル第2の都市ポルトです。首都リスボンが政治の中心だとしたら、ポルトは経済と商業の中心です。日本でもよく知られたポート(ポルト)ワインが有名です。ポルトの町並みは「ポルト歴史地区」としてユネスコの世界文化遺産に登録されています。
クレリゴスの塔から見下ろすポルトの町並み(筆者撮影)
海側から眺めるポルトの町並み(筆者撮影)
ポルトの夕焼けとワイン(筆者撮影)
IPRN AGM 2025について
IPRNとはInternational Public Relations Networkの頭文字をとったものです。日本語では「国際的PRネットワーク」です。AGMとはAnnual General Meetingの頭文字をとったもので、日本語では「年次総会」にあたります。IPRN創設30周年にあたる今年は、欧州を中心に30以上のPR会社から50人以上の参加者が集いました。
IPRN AGM 2025紹介動画の一コマ(筆者によるスクリーンショット)
IPRN AGM 2025紹介動画の一コマ(筆者によるスクリーンショット)
IPRNの設立は1995年。本部はベルギーのブリュッセル。2025年6月現在、世界30カ国以上から、50以上のメンバー会社や個人が、100以上の大都市で活動する規模の組織に成長しています。独立系のPRに携わる会社や個人による国際的ネットワークとしては、世界最大級とのことです。






