人的資本経営は「目的」と「資源」の観点が重要

戦略に強い組織づくりのために、人的資本経営はどう活きてくるのか。7月18日に表参道の宣伝会議セミナールームにて、KAIGI GROUPが運営するプラットフォーム『人財会議』の取り組みの一つとして開催された「人財会議カンファレンス2025」に、長年、ブランド・マネジメントやマーケティング組織構築に携わり、『君は戦略を立てることができるか』(小社刊行)などの著書もあるクー・マーケティング・カンパニーの音部大輔氏が登壇。「戦略に強い組織のつくり方 目的と資源で読み解く人的資本経営」をテーマに講演した。

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知識の共有で組織が成長する

音部氏はまず、「組織の成長」から話を始めた。成長の定義は「昨日できなかったことが、明日できること」だとし、その内容を「新商品や新チャネルなど、昨日はもっていなかった手段が手に入る」「経験を知識に変えることで、昨日は知らなかったやり方が分かる」ことだとした。後者は、いわゆる「ナレッジ・マネジメント」の領域に関係するものだ。

ナレッジ・マネジメントに関連して、音部氏は「一年間を振り返って、最も時間や労力をかけたプロジェクトについて、成功であれ失敗であれ、自身とチームが得た新たな知識は何だったか、言える人はいますか」と会場の参加者に問いかけた。会場では数人の手が挙がっただけ。音部氏も「様々なところで同じ質問をしていますが、いつも言える人は5%ほどです」と話す。誰もが一生懸命取り組んでいるが、そこから何を学び、何ができるようになったかは、よほど強烈な経験でない限り、意識的に整理しておかないと認識しにくいものだという。

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