「ユーザーは数値ではなく、悩みを持つ人間」共感が世界に刺さるアプリを生んだ

全世界で6500万人を超える登録ユーザーを持つカレンダーシェアアプリ「TimeTree」。運営するTimeTreeの吉本安寿さんは、2024年よりCPO(最高プロダクト責任者)兼共有カレンダー本部本部長として、プロダクトの成長戦略を担っています。
 
大学院では分子生物学を専攻し、卒業後は研究職ではなくヤフー(現LINEヤフー)に入社、一からマーケティングを学んだのち、サービスづくりを経験するためカカオジャパンに出向。そこから少数精鋭のスピード感を経験したことで、JUBILEE WORKS(現TimeTree)にジョインし、マーケティングとプロダクトマネージャーを兼任。一見、点在しているように見える吉本さんのキャリアは、俯瞰して見ると大きな一つの面でつながっているといいます。
 
TimeTreeがグローバルに広がった理由を、吉本さんは「ユーザーを数値ではなく、ひとりの人間として捉えてプロダクトをつくっているから」と語ります。現在の登録者数に満足せず、文化や習慣を変えるような、今までにない価値を世界に届けたいと語る吉本さんは、これまでどのようなキャリアを築いてきたのでしょうか。マスメディアンのキャリアコンサルタント・荒川直哉が伺いました。

「サービスはユーザーとの対話」との姿勢に共感

━━吉本さんはヤフーに入社後、カカオジャパンに出向し、のちに現在のTimeTreeに転職されていますが、ご自身のキャリアにおけるターニングポイントはどこだったとお考えですか。

私のターニングポイントは、ヤフーからカカオジャパンに出向したときだったと思います。ヤフーではインターネット広告を主に担当していました。しかし、Web業界にいるなら、いつかはサービスをつくってみたいという気持ちがあり、ずっと機会をうかがっていたんです。

カカオジャパンに出向してまず驚いたのは、少数精鋭のスピード感でした。自分のアイデアがすぐに形になり、世の中に価値を届けられるダイナミックさを経験できました。

その後、ヤフーに戻ることになったのですが、少数精鋭で業務にあたっていたカカオジャパンとは意思決定のスピード感の違いがありました。また自分の考えをダイレクトに伝えられる環境で働きたい。そう考え、スタートアップ企業を目指して転職活動をしました。内定をいただいた会社もありましたが、結局その会社ではなく、カカオジャパン時代に一緒に働いた仲間が立ち上げた、TimeTree(当時はJUBILEE WORKS)に入社しました。

写真人物 TimeTree 吉本安寿 氏

TimeTree
CPO(Chief Product Officer)/共有カレンダー本部 本部長
吉本安寿 氏
2011年ヤフーに入社。広告商品の企画に従事したのち、2013年にカカオジャパンに出向し、サービス企画を担当する。その後ヤフーに戻り、スマートフォンアプリ開発に携わる。2015年にJUBILEE WORKS(現在のTimeTree)に入社。プロダクトマネージャーとマーケティングを担当し、TimeTreeに導入する機能の企画に加え広告事業や日程調整SaaS「Tocaly」の立ち上げにも従事。2023年にCPO就任、2024年より現職。

━━TimeTreeを選んだのはなぜだったのですか。

理由は「人」でした。そこで働いている人たちのプロダクトづくりにおける価値観が、自分と近いと感じたんです。

Webの世界では、ユーザーの行動は数値で表すことができます。そのため、単に数値だけで対応を判断してしまうことも多いです。しかし私も代表の深川(泰斗氏)も、ユーザーをひとりの人間としてとらえています。どういう背景があって、どんなことに困っているのか、深い理解を持って接しようとしている。ユーザーとどう接するかは、何を大切にしているかに直結します。サービスをユーザーとの対話のように考えるところに共感して、この人たちと一緒に働いたら、うまく行くんじゃないかと直感したんです。

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荒川 直哉(マスメディアン 取締役 国家資格キャリアコンサルタント)
荒川 直哉(マスメディアン 取締役 国家資格キャリアコンサルタント)

マーケティング・クリエイティブ職専門のキャリアコンサルタント。累計4000名を超える方の転職を支援する一方で、大手事業会社や広告会社、広告制作会社、IT企業、コンサル企業への採用コンサルティングを行う。転職希望者と採用企業の両方の動向を把握しているエキスパートとして、キャリアコンサルティング部門の責任者を務める。「転職者の親身になる」がモットー。

荒川 直哉(マスメディアン 取締役 国家資格キャリアコンサルタント)

マーケティング・クリエイティブ職専門のキャリアコンサルタント。累計4000名を超える方の転職を支援する一方で、大手事業会社や広告会社、広告制作会社、IT企業、コンサル企業への採用コンサルティングを行う。転職希望者と採用企業の両方の動向を把握しているエキスパートとして、キャリアコンサルティング部門の責任者を務める。「転職者の親身になる」がモットー。

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