西武ライオンズは推せる選手の宝庫!「圧倒的至近距離」こそ最強のエンタメになる

こんにちは。西武ライオンズ広報部長の赤坂修平です。

前回のコラムでは、要素を“掛け算”することで、心に残るコミュニケーションを設計していくことをご紹介しました。

今回は、私たち広報部がこの2025シーズンに展開したテレビCM「圧倒的至近距離」について、背景や意図、実際のプロセス、そしてその成果までをお話ししたいと思います。

次世代ファンをつかめるか——―N1から始める顧客理解

2024シーズン、私たちは歴史的にもっとも負けたシーズンになりましたが、観客動員数は前年比9%増という結果になりました。ただし、過去最高だったリーグ優勝をした2019年にはまだ及ばず、“回復”は道半ばでもありました。

広報部ではファンクラブ(FC)会員数をKGIとしていると初回のコラムで紹介しました。

そのFC会員のボリュームゾーンは、前シーズンのコラム第5回でも触れている通り、1980~90年代のライオンズ黄金時代を幼少期に体験した方々です。彼らの熱量は本当に心強い。ただ一方で、永続的に球団の事業を続けていくには、やはり20〜30代の若い世代をどう取り込むかが重要になります。

そこで私たちは、直近3年以内にFC会員になった若年層にインタビューを実施しました。いわゆる「N1」の顧客理解、マーケティングの原点です。

“野球好き”じゃなくてもハマる時代──推しが入り口になる、新しいファンのかたち

若い方々に「なぜライオンズのファンになったのか」と聞くと、興味深い答えが返ってきました。


「カッコいい選手がいたから」
「応援歌が面白かった」
「スタジアムイベントが楽しかった」

これまでは“野球そのもの”への関心が前提でしたが、今はそうとも限らない。例えばアイドルのコンサートで、FCに入っても良い席が取れない……そんな不満を抱えていた方が、友人に誘われてベルーナドームに来てみたら「めちゃくちゃ近くで選手が見える!しかもカッコいい!」と一気にハマってしまった、というケースもありました。

しかもこれは、女性に限らず、若い男性からも同様の声が上がったんです。これは私たちにとっても大きな発見でした。

西川愛也選手や長谷川信哉選手のような“美男子系”、

写真 人物 西川愛也選手(提供:西武ライオンズ)。

西川愛也選手(提供:西武ライオンズ)。

写真 人物 長谷川信哉選手(提供:西武ライオンズ)。

長谷川信哉選手(提供:西武ライオンズ)。

武内夏暉投手や滝澤夏央選手のような“かわいい系”、

写真 人物 武内夏暉投手(提供:西武ライオンズ)。

武内夏暉投手(提供:西武ライオンズ)。

写真 人物 滝澤夏央選手(提供:西武ライオンズ)。

滝澤夏央選手(提供:西武ライオンズ)。

さらには男気あふれるキャッチャー陣やベテランの栗山巧選手のような二枚目まで、今のライオンズは“推せる選手”の宝庫なんです。

写真 人物 古賀悠斗捕手(提供:西武ライオンズ)。

古賀悠斗捕手(提供:西武ライオンズ)。

写真 人物 栗山巧選手(提供:西武ライオンズ)。

栗山巧選手(提供:西武ライオンズ)。

かつては野球が入口だった。でも今は、“好き”が入口になり得る時代です。“推し”が見つかる球団——―それが今のライオンズにはあるということに気付くきっかけになりました。

「近さ」は、最強のエンタメになる──“見える”が“好き”を生む瞬間

イメージ 「とにかく選手が近い」ベルーナドーム(提供:西武ライオンズ)。

「とにかく選手が近い」ベルーナドーム(提供:西武ライオンズ)。

インタビューの中で、特に印象的だったのが「ベルーナドームはとにかく選手が近くて見やすい」という声です。アンケート調査では、ファンになったきっかけとして「選手との距離が近く感じた」が非常に高い数値を出しています。ビジター球団まで足を運ぶ熱心なファンの方は、とくにその差を感じていたようです。

私自身、ビジター球場に帯同することもありますが、他球場と比べて明らかに「見やすい」という体感があります。お客さまに混じって観戦する中で、「あれ、なんでこんなに見にくいんだろう?」と感じる場面もありました。別のものを見ているように感じることすらあります。

この“近さ”は、我々にとって大きな強みだったのです。“近さ”それ自体がファンの皆さんの体験を圧倒的に魅力的にしている。“選手の魅力”と“近くで見える臨場感”が、想像以上に強く感情価値を生んでいたわけです。

プロ野球選手を間近で見るたびに、「これが本当に同じ人間の動きなのか」と思わされます。一瞬の判断、正確な動き、極限まで鍛え上げられた身体。私たちの想像を超えた領域で、彼らは毎日当たり前のようにプレーを続けている。その姿には、説明のいらない説得力があり、心を動かす力があります。

それだけでも十分に人を惹きつけるのに、そこに“推し”という要素が加われば、ファン体験の情緒的価値は飛躍的に高まる。“すごさ”と“好き”が重なった瞬間、感情は一気に動き出します。

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西武ライオンズ広報変革記~NEXT STAGE 2025~
赤坂修平(西武ライオンズ 広報部長)

2000年コクド入社、2004年広報室へ配属、以降は西武グループ各社で広報と企画を相互に歩む。2006年プリンスホテル事業企画部広報担当、2009年に同部ゴルフ・スキー担当も兼務。2011年西武ホールディングス広報部、2018年に経営企画本部 経営戦略部。2019年に同本部 西武ラボ(新規事業創造)課長となり、2023年から西武ライオンズ 広報部長。

赤坂修平(西武ライオンズ 広報部長)

2000年コクド入社、2004年広報室へ配属、以降は西武グループ各社で広報と企画を相互に歩む。2006年プリンスホテル事業企画部広報担当、2009年に同部ゴルフ・スキー担当も兼務。2011年西武ホールディングス広報部、2018年に経営企画本部 経営戦略部。2019年に同本部 西武ラボ(新規事業創造)課長となり、2023年から西武ライオンズ 広報部長。

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