役員同士の「言葉合わせ」から現場への浸透まで NECのカルチャー変革の道のり

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2025年に創業126周年を迎えたNEC。創業時は「通信技術ベンチャー」(第一の創業)、1970年代後半からは「ICT企業」(第二の創業)、2010年代からは「社会価値創造型企業」(第三の創業)と、時代によって価値創造のあり方を変容させてきた。現在の「社会価値創造型企業」とは、NECのテクノロジーやノウハウを活かして、顧客とともに社会課題を解決するソリューション型の企業、という位置づけだ。

「第三の創業」のきっかけは、リーマン・ショックなどを受けた2011年の業績悪化だった。それを機にこれまでの事業を見直し、以降3人の社長のもとで製造業から情報サービス業へと生まれ変わり、業績を回復させてきた。実際の事業に取り組む「人」の力を最大化するためには、基礎となるカルチャーの変革が必要だが、それを主導したのが同社ピープル&カルチャー部門 兼 コンサルティングサービス事業部門 主席プロフェッショナル(カルチャー変革エバンジェリスト)の森田健氏だ。

7月18日に表参道の宣伝会議セミナールームにて開催された「人財会議カンファレンス2025」で、森田氏が「人が動く、会社が変わる:NECのカルチャー変革と人的資本経営のリアル」をテーマに、NECの取り組みについて講演した。

段階的なカルチャー改革

カルチャー変革のプロジェクトは「Project RISE」と命名された。プロジェクト開始前に取り組んだのは、同社の存在価値の再定義だ。2011年から2018年の7年間で、役員の相互信頼・関係強化を図った。

その後、2018年からは「RISE 1.0」として本格的に改革を開始。人事改革、働き方改革、コミュニケーション改革の3つに取り組んだ。コミュニケーション改革が人事改革と働き方改革を包含し、制度などの見直し(人事・働き方)と、それらの社員への伝え方(コミュニケーション)を変えた。森田氏は、「重要なのは、変わることの受容と、変革のための基盤整備でした」と話す。会社の状況次第では、いきなり社員に変わることを求めても「それよりも会社側が先に変わるべきだ」と反発されてしまうことが考えられる。「変わることを受容してもらうためには、会社と社員の信頼関係を再構築する必要があります」(森田氏)。

2021年からは「RISE2.0」として、人事制度変革や組織変革、ジョブ型人事制度の導入やビジネスインフラの変更など、社員の身の回りのことを具体的に変更した。

2025年から始まった「RISE3.0」では、会社全体のコミュニケーション改革や人事改革を各部門に落とし込んでいるところだ。

イメージ 「Project RISE」の全体像

「Project RISE」の全体像

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