宣伝会議の教育講座に、面白法人カヤックの代表取締役CEO柳澤大輔さんと、同社のクリエイティブディレクター5名を講師に迎えた特別クラス「おもしろ突破塾」が開講します。
講座を担当するクリエイティブディレクターが、面白法人カヤックの「その手が、あったか。」という発想法、企画の立て方ついて、5回にわたってお届けします。
関連記事
「面白い」を仕事に変える
はじめまして、面白法人カヤックでクリエイティブディレクターをしている兼康希望(かねやす のぞみ)です。元々、カヤックにはデザイナーとして入社しました。それから、プランナーを経て、現在はクリエイティブディレクターをしています。
あとテントサウナにどハマりしたことから、カヤックと並行して、SaunaCamp.という会社を友人と一緒に起業して、MORZH(モルジュ)というテントサウナの販売をはじめ、テントサウナカルチャーを日本で広める活動をしています。
仕事とプライベートの境無く「面白いことがしたい」というのが僕の原動力になっていて、面白いと思う方向へと進んできて今に至ります。
「バズる」仕組みはどこにあるか
僕の紹介はここまでにして、カヤックでは創業から「バズる」=世の中の話題になることを追求してきました。自社の制度にしてもサイコロを振って賞与を決める「サイコロ給」など、「面白法人」を体現するものがいくつもあります。
そんなカヤック代表のやなさん(柳澤大輔)が昔よく言っていたのは、「ウェブはテキスト文化」という言葉。
つまり、ウェブのテキストにおいての勝負は「見出し」や「最初の一行」で決まるということ。これは当時も今も変わらない。どんなに良い企画でも、最初に興味を引かなければ届かない。どれだけクリックされる入口を作れるか、そこをどう見つけるかが一番の勝負所です。
コロナ禍に生まれた「社長のおごり自販機」
例えば、僕が担当した案件で、サントリーさんから相談を受けて企画・制作した「社長のおごり自販機」があります。
社員証を2人同時にタッチすると飲み物が無料になるという機能をサントリーさんが開発しており、それを搭載した法人向け自販機の導入を広げたい、という相談でした。
そこで、私たちはこの機能に「社長のおごり自販機」と名付けたんです。時はコロナ禍。出社をしてもマスクをして、コミュニケーションを取らずに帰宅することもあった時期です。こうして会話の減ってしまったオフィスに雑談のきっかけを作る装置として、オフィス回帰のタイミングに合わせて作っていきました。ネーミングのユニークさや、実際に導入されたオフィスでコミュニケーションが生まれている様を動画で発信したことにより、テレビをはじめ様々なメディアで取り上げられ、またSNS上でたくさんの言及が生まれました。
次ページはバズの構造というフレーム
