ほっかほっか亭総本部は8月27日、大阪・関西万博「大阪ヘルスケアパビリオン」で販売する「ワンハンドBENTO」シリーズが約4カ月で累計15万食を突破したと発表した。多くのフードが並ぶ万博会場でなぜ、行列や完売が相次いだのか。その背景には、500円という手軽な価格設定と、“海苔弁”を片手で食べられる形状にした工夫があった。
「ワンハンドBENTO」が販売されているブース「ほっかほっか亭 MADE by HURXLEY(メイドバイハースクレイ)」。「大阪ヘルスケアパビリオン」の「ミライの食と文化ゾーン」1階に位置している
「日常食としての納得感」掲げ500円に
販売は万博の開幕初日(4月13日)から始まった。看板となったのは「ワンハンドBENTO海苔弁」(500円)。白身フライやちくわ磯辺揚げなど、海苔弁の定番具材を一体化し、片手で食べられる形に仕上げた。当初は全5種を販売し、ゴールデンウィークや夏休み以降に順次、「チキン南蛮〜梅入り〜」「穴子」といった新商品も追加。リピーターが繰り返し足を運んでも飽きない工夫を図った。
当初販売していた「ワンハンドBENTO」シリーズ全5種。監修を担ったのは、2015年ごろから流行している「おにぎらず」(具材を海苔で包むだけで成形しない簡易型おにぎり)を考案した料理研究家・小河知惠子氏だ
コスト面について、広報課係長の永岑しおり氏は「当初は別の価格を予定していたが、多くの人に楽しんでもらえるようオープン記念でワンコインにした」と説明。すると「500円の海苔弁」として話題となり、開幕から1カ月足らずで累計1万個を超えに。閉幕まで価格の維持を決めた。輸送経費の高さは懸念されたが、「万博フードは高い」との報道もある中で“日常食としての納得感”を優先したという。
「未来のお弁当」としての再解釈
「ワンハンドBENTO」は万博内のいちテーマ「25年後のミライ」に合わせ、“未来のお弁当”として開発。近年はバータイプや液体の「完全栄養食」など効率重視の“タイパ消費”が広がっているが、永岑氏は「ほっかほっか亭は49年間弁当を提供してきた経緯から、未来でも『主食・主菜・副菜をしっかり食べていただきたい』と考えた」と説明する。効率性と食事としての満足感の両立にこだわったという。
「ワンハンドBENTO」に唐揚げやハッシュポテトを付けたセットも販売している
十六穀米と野菜を取り入れ、片手での食べやすさに加え栄養バランスにも配慮した。永岑氏は「具材をそのまま入れると塩辛くなるため、一口で“海苔弁”と分かる味のバランスを試行錯誤した」と説明する。当初は軽めの食後感を想定していたが、「実際の来場者は歩く距離が長く、具材をしっかり入れた方が満足度が高いと分かった」とも語った。
実際に、同社が517人を対象に行った調査によると、「ワンハンドBENTO」の購入理由は「片手で持てる」「並びながら食べられる」といった利便性が購入理由に挙がり、複数回来場者の購入率も高かった。また、腹持ちの良さも支持を集め、永岑氏は「具材が多く食べ応えがあり、腹持ちが良いと好評だった。混雑の中でも手軽に買ってすぐ食べられる点が、万博を満喫したい来場者のニーズに合致した」と述べる。
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