2025年7月25日、沖縄県北部に総事業費700億円を投じた大自然テーマパーク『JUNGLIA OKINAWA(ジャングリア沖縄)』がグランドオープンした。「マーケティングの神」と称される森岡毅氏が手がけた同施設だが、開園直後からSNS上での批判的な声や情報コントロールへの疑問が噴出。派手なCG映像による事前プロモーションと実際の体験とのギャップ、そして何より従来のオールドメディア中心のマーケティング手法がデジタル・SNS時代に通用するのかという根本的な課題が浮き彫りになった。現地在住のITジャーナリストが、現代マーケティングの新たな試練を分析する。
オールドメディア型マーケティングへの逆風
筆者は沖縄県名護市在住のITライターとして、ジャングリア建設地を日常的に利用してきた。同施設の前身であるゴルフ場も数回利用し、地域の変化を間近で観察している。
2016年に頓挫した「USJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)沖縄」プロジェクトから約9年。森岡毅氏にとって沖縄でのエンタメ事業は悲願の実現だった。しかし、開園前の2025年6月30日、チャンネル登録者数180万人を誇るNewsPicksの動画で森岡氏の手法に疑問を呈する内容が配信されると、「森岡神話」に対する懐疑的な声が一気に拡散した。
沖縄県北部に7月25日にオープン
森岡氏が代表を務める株式会社刀は即座にリリースで反論したものの、具体的な説明に欠け、むしろ情報統制の印象を強める結果となった。
その後、7月15日からの地元住民向けプレオープン、メディア・インフルエンサー向け取材では、撮影ポイントや画角まで細かく統制。徹底した情報コントロールが、逆にSNS時代の透明性を求める声との乖離を生み出した。
完全予約制でも発生した「待ち時間」問題
7月25日の正式オープン初日、駐車場1126台は完売、プレミアムパス(2700円)も完売という完全コントロール下でのスタートだった。事前に来場者数が確定している状況にもかかわらず、目玉アトラクション「ダイナソーサファリ」では90分待ちの整理券が発行される事態が発生。
