面白法人カヤックの「その手が、あったか。」 其の2 既成概念を水に流す、痛快アイデアを生む方法

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宣伝会議の教育講座に、面白法人カヤックの代表取締役CEO柳澤大輔さんと、同社のクリエイティブディレクターを5名講師に迎えた特別クラス「おもしろ突破塾」が開講します。

講座を担当するクリエイティブディレクターに、面白法人カヤックの「その手が、あったか。」という発想法、企画の立て方ついて、5回にわたってお届けします。第2回は「うんこミュージアム」なども手掛ける阿部晶人さんです。

広告代理店のウェブプランナーから、面白クリエイティブディレクターへ

面白法人カヤックの阿部 晶人(あべ あきひと)です。クライアントワーク事業の面白プロデュース事業部とうんこ事業部でクリエイティブディレクターをしています。新卒で広告代理店の電通に入り、コピーライター/CMプランナーとして、テレビCMや新聞広告を担当しました。たまたまデジタルやインターネットが得意だったので、やがてデジタル部門も兼務するようになり、ウェブサイトやバナー広告なども数多く手がけました。

当時はまだ「ウェブプランナー」という肩書きが存在していない時代でしたが、そうした役割を担い、海外の広告賞をいただいたり、クリオやワンショーなどの審査員を務めたりもしました。ウェブプランナーという肩書きの草分けと言えるかもしれません(笑)。

ただし、当時はまだまだ縦割りの風潮が強く「デジタルはデジタルだけ」と分断される場合が多かったので、すべての領域に関わりたいと考えて外資系の代理店であるVML & Ogilvy Japanへ転職しました。

デジタルからマスまで幅広く経験し、外国人の上司や世界各国のクリエイターと仕事を共にしました。国や言葉が違っても「この人のアイデアには敵わないな」と思える体験が数多くあり、今でもそれらは私の刺激となっています。

「まちづくりからうんこまで」

その後、剣道の世界大会を手伝うために一度退職し、イベント会社を経て2007年にカヤックに入りました。カヤックに来る案件は、大規模なプロジェクトから地元商店の依頼まで、とにかく領域が広い。アウトプットも広告、イベント、パッケージから会社の制度などまで多種多様。カヤックのそういうカオスなところがとても好きですね。

カヤックの会社説明をするときによく使われる「まちづくりからうんこまで」というコピーは、数年前に私が書いたものですが、カヤックをよく言い表せているんじゃないかなと思っています。

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