ブルーパドルの佐藤ねじです。前回は、AIでクリエイターの仕事がなくなるっていう怖さもあるけど、その前にマーケ視点で考えると、できることはまだ無数にあるよね!という話をしました。多くのデザイナー・イラストレーターの方から参考になったと声をいただけました。
で、最近マーケティング的な話が続いたので、今回は発想法の話をしたいと思います。うまくいく仕組みの水平思考。発想法の中でも、最も拡張性があって、再現性が高いのがこれかなと思います。ビジネスにも、表現にも使える話なので、ぜひ聞いていってください。
水平思考は、技術以外にもいろいろ使える
任天堂で数々の発明をした横井軍平氏は「枯れた技術の水平思考」によって、使い古された技術の「伸びしろ」を活用し、数々のヒット商品を生み出してきました。
私は横井軍平さんを知って以来、好んでよく水平思考を使うのですが、「技術」以外にもいろんなものを水平思考することができます。
例えば「人が熱中するもの」の水平思考。
ゲーム、YouTube、ボードゲーム、音楽フェスなど。「人はなぜハマるのか」の要素を抽象化する。そして、全く別のものに応用すると、新しい体験や表現を生み出すことができます。後ほど紹介する「ボドゲホテル」はその事例の1つです。
他にも「うまくいく仕組み」の水平思考もあります。
クリエイティブとか、マーケティングとか、プログラミングとか、ビジネスとか。ある領域でうまくいく必勝パターンというものがあります。その仕組みを理解し、そことは関係のない領域に応用することで、新しい解決策を見つけることができます。後ほど紹介する「子育てブレスト」がその事例です。
ボードゲームの水平思考
人が熱狂するコンテンツの1つにボードゲーム(以下ボドゲ)があります。ボドゲは本当にすごいです。アナログな紙やサイコロだけで、人は異常に熱狂します。ボドゲカフェに行くと、お酒も飲んでいないのに大人が、発狂するように声をあげています。
ボドゲは「印刷された紙・ルール・複数人の人間」だけで熱狂できます。ボドゲを抽象化すると「コンポーネント(物)・楽しいルール・人」の3つに分解することができます。これらの要素が組み合わさることで、ボドゲはおもしろくなっているといえます。
ボドゲ作家の皆さんは、この素晴らしい仕組みをつかって新しいボドゲをつくるわけです。でも私としてはこれを、ボドゲ以外の違うジャンルに水平展開すると、新しい可能性になるなと思っています。
ボドゲホテル「宿泊体験×ボドゲ的ルール」
実際にこの「ボドゲのおもしろさの水平思考」で私たちのチームがつくったのが、大阪にあるボドゲホテル(MIMARU大阪 難波STATION)です。このホテルでは、ふつうのボドゲでもたくさん遊べるのですが、それ以外にも、ホテル内の設備を活かしたゲーム体験をいろいろつくっています。
「エレベーターに乗る」「自販機を使う」「ホテルでサインをする」「一泊する」など、ホテルの一般的な宿泊体験に「ルール」を加えることで、ふつうのボドゲとは違った、新しい体験をつくることができました。
チェックインなど一般的な宿泊体験に8つの専用ゲームを開発
一例として「エレベーターギャンブル」をご紹介します。
これはエレベーターのドアが空いたら、何人乗っているか?を予想するだけのゲームです。正確にはゲームというより、退屈なエレベーターの待ち時間をつぶすための仕掛けです。
エレベーターの前に、ルーレットのような数字が印刷されています。ここで降りてくる人の数を予想し、その数字の上に立つだけの遊びです。これだけのルールで、つまらない待ち時間が、ちょっとしたドキドキに変わります。実際に体験する様子を見てみましょう。
女性「何人かな〜」
男性「この時間帯はカップルで2人だと思うな〜」
女性「いやいや、家族3人くらい降りてくるでしょ〜」
チーン!
2人「あっ、開くぞ…!ドキドキ…」
2人「ぐわぁ、、ひ、1人か〜!」
男性「おぉ…!!!!?」
男性「おぉ…!!!!」
男性「2人だぁぁぁぁ!!!」
男性「やったぁぁ…!!!」
…といった具合に、降りてきた人数で一喜一憂するだけのゲームです。大したことはないですが、エレベーターの待ち時間がちょっとした遊びになります。こどもたちも楽しそう。












