では、Googleが2025年8月にリリースした画像生成・編集モデル「Gemini 2.5 Flash Image」(通称:Nano Banana)によるゲームチェンジの可能性について述べました。
2025年5月に登場し、同じく昨今注目を集めるGoogleの動画生成モデル「Veo3」の動向も交え、Nano Bananaの登場がクリエイティブ業界におけるパワーバランスにどのような影響をもたらすのか、引き続き考えてみたいと思います。
Adobeの戦略的転換とエコシステムの未来
Nano Bananaの登場は、クリエイティブ業界におけるパワーバランスにも大きな影響を与えています。
特に注目すべきは、Adobeの戦略的転換です。
#AdobeFirefly has all the major generative models including the new “Nano Banana” (Google Gemini 2.5 Flash). So no need to have multiple generative services. But you can if you want I guess. ✌️ pic.twitter.com/po7jO57bWK
— Paul Trani (@paultrani) 2025年8月26日
米Adobeは2025年8月28日、自社の画像生成AIサービス「Adobe Firefly」とデザイン作成アプリ「Adobe Express」上で、Googleの最新画像生成AIモデル「Gemini 2.5 Flash Image」(Nano Banana)が利用できるようになったことを発表しました。
アドビの公式ブログより。
さらに、Fireflyでは、自社モデルを差し置いてNano Bananaがデフォルト設定になったという報告もあります。
これは、
Adobeが生成AIの「基礎モデル」開発競争において、自社のみで全てを賄う戦略から一歩引き、高性能な外部の基礎モデルを積極的にインテグレーションする戦略へと舵を切った、と解釈できます。
これまでにもOpenAIとの戦略的提携を発表するなど、外部モデルの活用に前向きな姿勢を見せていましたが、今回の動きでその姿勢が一層明確になりました。
