1時間で戦略PRの基礎を理解!また“コミュニケーション”の本質を見つめ直すこともできる1冊~『だれでもPRメソッド』に寄せて(馬場直也)

『だれでもPRメソッド』との出会いは電通PRコンサルティングさんとの社内勉強会の最後。“今までお話して来たことをとても分かりやすくまとめた本を書きました”との紹介でした。2日間に渡ったセッションの内容が凝縮された正味1時間、あっという間に読めてしまう1冊です。

この本の定義として、PRとは“世の中との良い関係づくり”。メーカーである我々に置き換えると“世の中の興味・関心と当社ブランドが提供できる価値の共通項を見つけて(広告ではない形で)広げていくこと“。広告が届きにくく、嫌われてしまう時代に我々が伝えたい情報を届ける武器の一つとして役立ちそう!というのがPRに興味を持ったきっかけでした。

①「鬱憤構文」で世の中の課題を考える

世の中の人が抱える課題“もやもや”を考えるのに役に立つツールが鬱憤構文。
メーカーの我々が“世の中の課題を考える”ことはなかなか無く、とっかかりが難しいもの。××に対する問題、ではなく、××が“不安に感じる”問題、××が“本当はやめたい”と思ってる問題と、一つ言葉の補助線を入れるだけで人はこれだけアイデアが出るのかとセッションで実感しました。

逆にそのもやもやに対して、“ブランドが今提供出来る価値は何なのか”、“今後求められる価値は何なのか”を改めて考えるいいきっかけになりました。

②「PR IMPAKT」でチェック!

我々が今考えているストーリーに本当に世の中は関心を持ってくれるのか、まさに“伝わるのか”チェックポイントがまとめられているのがPRIMPAKT。

広報経験がない人には大変ありがたく、対立構造を作る・最上級で表現する等、普段何気に意識してるものも含むチェックポイントが具体的に文字化されています。

③広告とPRは実は似ている。

世間が関心のある何らかの企画を考え、それを広告ではない形で届けていく。戦略PRって広告と企画の考え方と届けるやり方が違うだけ。広告が嫌われてしまう世の中だからこそ広告にもPR思考が必要なんだと思いました。

最後に“世の中と良い関係を作るためには相手のことをどれだけ想像出来るかが大事”と本にあります。家族・友達・社内、近くで直接話せる関係でもすれ違いが起こる、ましてやそれを世間に発信するなんて、と一瞬身構えつつも、だからこそ“コミュニケーションは面白い。人はコミュニケーションしたくなるんだ”とこの本を読んで改めて思った1日でした。

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馬場直也(ばば・なおや)

サントリー コミュニケーション本部 戦略推進・CRM部長

RTD(缶チューハイ・ハイボール等)やビールのブランド担当・デジタルコミュニケーション等宣伝領域を担当し昨年4月より現職。宣伝・CRM・広報等酒類コミュニケーション戦略を立案・推進。

『広報・PRの現場直送 だれでもPRメソッド スルーされない 伝わる情報設計』
著者:電通PRコンサルティング PRX Studio Q
定価:2,200円(本体2000円+税)

強い思いを持って、丁寧に情報を発信しているにもかかわらず、メディアやユーザーに全く伝わっていない。そんな経験をしたことがある人は多いのではないでしょうか?本書では「どうすれば伝えたいことがスルーされずに伝わるのか?」という観点から、電通PRコンサルティングの若手プランナー陣が現場で実際に使っているスキル・暗黙知をメソッド化し、多くの図解と共に解説。特に広報・PRに携わる人が現場で困ったときにすぐに活用できる、実践的な手法を掲載しています。
 
また、本書にはハフポスト日本版 泉谷由梨子編集長、note プロデューサー 徳力基彦氏、タレント・子育てインフルエンサー 木下ゆーき氏、ホテルプロデューサー 龍崎翔子氏のインタビューも掲載。事例やインタビューを通して、「どうすれば伝えたいことがスルーされずに伝わるのか?」という観点から、PRの本質的な考え方と実践的なメソッドを紹介します。
 
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宣伝会議 書籍編集部
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宣伝会議書籍編集部では、広告・マーケティング・クリエイティブ分野に特化した専門書籍の企画・編集を担当。業界の第一線で活躍する実務家や研究者と連携し、実践的かつ最先端の知見を読者に届けています。

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