クリエイターの皆さんに独自のお題を設定してもらいプレイリストをつくってもらうシリーズ企画。プレイリストはSpotifyでも公開中です。
目で聴く音楽と、耳で聴く音楽
MV監督のお仕事が増えてお声がけいただいた本企画ですが、Spotifyプレイリストで聴くとなると凪のような選曲に。目で聴く音楽と耳で聴く音楽の違い、MVの意味や使命についても考える機会となりました。
日々何かをつくりだそうともがく人間にとっては、こういう時間が絶対に必要だと思う10曲です。朝起きて水を飲みながら1日を受け入れる曲から、夜中椅子の上で丸まって聴いている曲まで並べています。あらゆるリミッターを外すものづくりを続けるには、ぽやんとのうみそを半身浴させてあげるような労りが必要……と同時に、この曲たちもまた生み出すことに向き合われたものであることに、ありがとうございますの気持ちです。
MVコンテを描く期間には、目の前の色がなくなるくらいまで、いただいた1曲を聴き込みます。アーティストの想いに触れるようなプロセスを経て、映像で描けること、描く意味があることを必死に考えます。
直近で監督させていただいたano『KILLLOVE』は、言葉少ななアーティストとファンの間に生きる契りのようなものを描きました。歌詞と音楽、それだけで充分なのですが、今作は映像を添えてより見えるようになったものがあったかなと思います。
目で聴く音楽でいうと、素晴らしい1 カットがあるMV を尊敬します。羊文学『more than words』のトップカット、ヨルシカ『忘れてください』の合掌、米津玄師『がらくた』のシルエット、King Gnu『ねっこ』の娘の笑顔……その1 カットを思い出すだけで曲が流れ出すような映像作品が、生まれる意義と尊厳をたたえて音楽として存在されているなと思います。
半身浴プレイリスト、脳が枯れて目を覆う日や作品と作品の間のダウンタイムにも。宜しければぜひにです。
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