音楽プロデューサー・マツザカタクミが選ぶ「浸り散歩」にぴったりの10曲

没入できるあの曲と生ぬるい夜風を浴びて

夜遅くまでオフィスにいた帰り、飲みに行く気分でもないが素直に電車に乗りたくない時がある。そんな時、思考を巡らせ火照った頭のクールダウンがてら1 駅分だけ歩いてみる。ノイズキャンセリングイヤフォンで街の喧騒を遮断し、没入できる音楽と生ぬるい夜風を浴びながら、音楽の世界に浸ってダラダラ歩く。これがいい。今回は僕がよくする明治神宮前~渋谷間の“浸り散歩”のお供になる楽曲を紹介してみたいと思う。

①神宮前交差点でいい湯加減の曲に浸る
信号待ちの間にまず1 曲。ドリーミーなムードに浸れる『I’ll Come Too』を聴きながら忙しなく動いている街を眺めていると、自分だけが違う時間軸にいるような気分になって楽しい。

また、夏の散歩は『อย่าให้เด้』のようなレゲエサウンドに浸るのもいい。冒頭のシンセサイザーの音が耳から入って全身に行き渡り、無意識に力んでいた心身がゆっくり解けていくのを感じる。温泉に浸かって「あーっ」と声が出る時のアレだ。良い湯加減の曲はずっと聴いていてものぼせない。

②中間地点、神宮通公園で言葉に浸る
人通りも落ち着く神宮通公園付近では歌詞に耳を傾けてみる。前述の曲よりも少し地に足がついたフォーキーな日本語曲にバトンタッチ。『彷徨い』のアコースティックなサウンドと優しい歌声に包まれながら詩世界に浸る。

③旅の終わり渋谷駅、浸りから現実へ
渋谷駅が近付き旅も終了間近。ずっと浸ってもいられないので、ここらで現実に戻る準備を。人通りも多くエネルギッシュな渋谷の空気に引っ張られ、少しずつ軽快な曲にシフトしていく。『独りの夜は』を聴き終わったら、独りの夜の時間も終わり。心も頭も整ったところで電車に乗り込み家路へ。

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まつざか・たくみ

CHOCOLATE 音楽プロデューサー/プランナー

バンド、Awesome City Club を立ち上げ、主宰としてバンドの世界観をつくり上げる。2015 年メジャーデビュー。5 枚のアルバムをリリースし、2019 年 Awesome City Club 脱退後、音楽プロデューサー、作詞家、プランナーとして、企画から楽曲制作まで一貫してプロデュースを行う。2025 年大阪・関西万博シグネチャーパビリオン「いのちの未来」にて“50 年後の未来”の音楽を担当。

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