AI開発チキンレースは新局面へ、MetaはAIショート動画生成「Vibes」発表

前回

はOpenAIの「Sora2」発表の以前に起きていたAdobeやMicrosoftの動きを追いながら、AI開発の「自前主義」から「外部モデル統合・活用」へと戦略的にシフトしている動きを考察しました。

今回はMetaのAIショート動画生成の新機能発表などにも触れながら、AIモデル開発の「チキンレース」が新しい局面を迎えている状況を捉えていきます。

クリエイティブワークフローの効率化にも直結

AdobeはPhotoshopにGoogleの画像生成AI「Nano Banana」、Black Forest Labsの「FLUX.1 Kontext [pro]」を搭載した。

各社の「外部モデル統合・活用」への転換の背景には、いくつかの複合的な要因が考えられます。まず、AIモデル開発のコストとスピードの問題が挙げられます。

最先端の基盤モデルをゼロから開発し、維持するには莫大な計算資源と優秀な研究開発人材が必要です。すべての領域で自社がトップランナーであり続けることは、たとえテックジャイアントであっても極めて困難です。

次に、専門性の問題があります。画像生成、テキスト生成、データ分析など、AIモデルが得意とする分野は多様であり、それぞれの領域で日々新しい技術が生まれています。

ひとつの企業が全ての分野で最高の専門性を持つことは非現実的です。外部の専門性の高いモデルを統合することで、プラットフォーム企業は自社のコア機能に集中しつつ、ユーザーには多様な選択肢と高品質な体験を提供できます。

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岡田太一(sync.dev Technical Director/Visualization Artist)
岡田太一(sync.dev Technical Director/Visualization Artist)

CG会社のDigital Artist からキャリアを開始。ポストプロダクションを経て、現在はビジュアルクリエイティブ領域にてテクニカルディレクションを担当。得意な分野は映像編集、ビデオ信号とリアルタイム合成、トラッキング関連など。2022年から『ブレーン』で連載中。

岡田太一(sync.dev Technical Director/Visualization Artist)

CG会社のDigital Artist からキャリアを開始。ポストプロダクションを経て、現在はビジュアルクリエイティブ領域にてテクニカルディレクションを担当。得意な分野は映像編集、ビデオ信号とリアルタイム合成、トラッキング関連など。2022年から『ブレーン』で連載中。

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