環境問題をどう自分ごと化する?マインクラフト「メタもバース」通じて考える海洋環境の未来

環境問題を、どうすれば自分ごととして考えてもらえるか。そのために生まれたのが、浜名湖を舞台に、「アマモ」を植えて生態系を豊かにしていくゲーム「メタもバース」だ。ゲームの楽しさと科学的なデータを組み合わせ、環境問題を“ 自分ごと化” してもらうための新たな挑戦が始まっている(本記事は、月刊『ブレーン』2025年12月号「楽しみながら学ぶ ゲーミフィケーションと デザイン」特集からの抜粋記事です)。
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なぜ、マインクラフトでアマモ?

「メタもバース(META-MOVERSE)」は、教育版の「マインクラフト」の専用ワールド上に再現した浜名湖(静岡県)に、浅瀬に生える海草「アマモ」のブロックを植えて藻場を再生することを目指すゲームだ。

参加者がアマモを植えると、その数に応じた二酸化炭素の吸収量が可視化され、魚や貝など生き物の種類(浜名湖に生息する全30種)が増えていく。

アマモを植えるミッションをクリアすると、二酸化炭素の吸収量がアップする。

アマモを植えるミッションをクリアすると、二酸化炭素の吸収量がアップする。

アマモを植えるミッションをクリアすると、二酸化炭素の吸収量がアップする。

生き物を捕まえて図鑑を完成させたり、魚を使って料理をつくったりといったミッションも。バイオマス生産量や炭素含有量、炭素隔離効率などから総合的に算出された二酸化炭素の吸収量を得点とし、参加者のうち高得点を得た上位3 人が表彰される仕組みだ。

二酸化炭素の吸収量が増えると、生き物の種類も豊富に。生き物を捕まえて図鑑を完成させるミッションも。

二酸化炭素の吸収量が増えると、生き物の種類も豊富に。生き物を捕まえて図鑑を完成させるミッションも。

捕まえた魚や貝をかまどに持って行くと、調理もできる。

捕まえた魚や貝をかまどに持って行くと、調理もできる。

日本財団の「海と日本PROJECT」の支援のもと、地球中心デザイン研究所と慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科の未来共創イノベーション研究室が共同で開発した。9月6日、7日に開催された「見て 知って 感じて はまなこSHOW!」では子ども向けの体験イベントを開催。各回満員の盛況となった。

9月に開催したワークショップには、2日で約500人が参加。子どもも直感的に遊ぶことができる。

9月に開催したワークショップには、2日で約500人が参加。子どもも直感的に遊ぶことができる。

そもそもアマモとは、近年全国で植栽が進む、「海のゆりかご」とも呼ばれている海草だ。海の小さな生き物たちの産卵場所や住み処となるほか、光合成を行い大気中の二酸化炭素を吸収して体内に貯める性質を持つため、地球温暖化対策にも貢献する存在として注目されている。しかし過去には、高度経済成長期の沿岸域開発などにより、激減してしまった背景もある。

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