タイトルや歌詞はキャッチコピーと同じ—ヤマモトショウ氏「私の広告観」出張所

月刊『宣伝会議』では、社会に大きな影響を与える有識者が、いまの広告やメディア、コミュニケーションについて、どのように捉えているのかをインタビューする企画「私の広告観」を連載中。ここでは「私の広告観 出張所」として、インタビューの一部や誌面では掲載しきれなかった話をお届けします。今回登場するのは、「世界一かわいい曲をつくる」ことをセルフスローガンに、アイドルの楽曲提供やプロデュースを手掛けるヤマモトショウさんです。

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ヤマモトショウさん

1988年2月19日生まれ、静岡県出身の作詞作曲家、音楽プロデューサー。東京大学文学部思想文化学科哲学専修卒。バンド「ふぇのたす」でメジャーデビューし、解散後は数々のアーティストの楽曲制作に携わる。2023年にリリースされたFRUITS ZIPPER『わたしの一番かわいいところ』を作詞作曲編曲、TikTokなどを中心に大ヒットし、初回となるMUSIC AWARDS JAPAN 2025にて「最優秀アイドルカルチャー楽曲賞」を受賞。2024年には作詞作曲編曲したFRUITS ZIPPER『NEW KAWAII』で日本レコード大賞優秀作品賞を受賞。2025年にはNHK Eテレおかあさんといっしょに『ももいろほっぺ』を提供、またミステリー小説『そしてレコードはまわる』(幻冬舎)の出版など活動の幅を広げている。2021年より地元静岡でアイドルグループ「fishbowl」を立ち上げ、新たなローカルアイドルの形を模索中。

Q.ヤマモトさんが手掛けた「FRUITS ZIPPER」の『わたしの一番かわいいところ』は、リリース直後からTikTokで人気が旧沸騰しました。「世界一かわいい曲をつくる」ために、心掛けていることを教えてください。

曲づくりで大切にしているのは、アイドルたちの思いを反映しながら、一人ひとりの魅力がしっかりと打ち出された作品になることです。

私自身の「かわいい」という定義に当てはめることはせず、打ち合わせなどの会話を通じて互いに共感できるポイントを擦り合わせていきます。パフォーマンスをする人の声の魅力やキャラクターの魅力を引き出すことが重要だと思っています。

Q.普段、曲はどのようにつくっていますか。

曲の歌詞というのは、ほとんどキャッチコピーと同じだと思っています。

昔から広告を見ると、そのキャッチコピーにメロディーをつけたくなることがよくあるのですが、多くの広告のコピーには、リズムを感じるんですよね。過去には、パルコの広告のコピーをイメージして曲のタイトルをつけたこともありました(笑)。

そして私は曲を制作する際にタイトルからつけることがほとんどなのですが、作業時間のうち、半分くらいはタイトルを考えていますね。タイトルという『軸』が決まると、その後の曲づくりが楽。

こういう曲づくりって、実は珍しいようなのですが、私にはこのスタイルが定着しています

「タイトルや歌詞はキャッチコピーだと思って制作しています」と話すヤマモトさん。また昨今は積極的にAIも活用し、AIと協力しながら人間のクリエイティビティを最大化する方法を探っているという。

「タイトルや歌詞はキャッチコピーだと思って制作しています」と話すヤマモトさん。また昨今は積極的にAIも活用し、AIと協力しながら人間のクリエイティビティを最大化する方法を探っているという。

Q.今の時代の広告について考えていることを教えてください。

自分にとって広告はとても身近なものであり、時にはインスピレーションを得ることもあります。

最近では、マクドナルド「月見バーガー」のミュージックビデオの楽曲を手掛けました。“月見”というワードから“今度いつきみに会えるのかな”というワンフレーズをまずつくり、そこからメロティーをイメージして曲を書きました。

ただ、今後は歌詞だけとか曲だけとか、部分的ではなく、最初のアイデア出しのところから携わりたいですね。コピーライターの方と一緒に楽曲をつくったりもしたいです。

世の中の広告のキャッチコピーって、よくよく見ると、音楽に影響を受けているものが意外とあるんですよ。音楽との親和性を活かして、広告に触れた人の耳と記憶に残るようなクリエイティビティを発揮したいです。

…ヤマモトさんのインタビュー記事全文は、月刊『宣伝会議』2025年12月号 に掲載しています。

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