「メリハリ」のファミマ vs 「値ごろ」のセブン クリスマス商戦に見る二極化する消費心理

節約志向の中に「贅沢需要」あり

ファミリーマートは11月6日、今年のクリスマス商戦に向けた戦略を発表した。物価高による節約志向が高まる一方で、「一年に一度の特別な日には少し贅沢したい」というニーズも強いと捉え、「メリハリ工夫で楽しむクリスマス」をテーマに掲げた。値ごろな商品に加え、名店監修スイーツや高級スパークリングワインなどの高価格帯商品も多数そろえる。

主力のクリスマスケーキの一部は、原材料高騰を受けて昨年から値上げを実施。それでも「価格相当の価値」に自信を示しており、人気ナンバー1ケーキを「価格据え置き」で展開するセブン‐イレブンとは対照的な戦略となった。

写真 「メリハリ工夫で楽しむクリスマス」をテーマに掲げたファミリーマート

「メリハリ工夫で楽しむクリスマス」をテーマに掲げたファミリーマート

同社が約3万人を対象に実施した調査では、今年のクリスマスにおける3つの消費者インサイトが明らかになった。第1に「おうちで過ごすクリスマス」志向の高まり、第2に「節約しながらもメリハリをつけて楽しみたい」という意識、第3に「早期予約やポイント活用でお得に賢く楽しみたい」という傾向だ。

2021年以降の物価上昇を背景に、自宅でクリスマスを楽しむ層が増加している。調査によると、「自宅でクリスマスディナーを食べる」「ホームパーティをする」のいずれかを選んだ「おうち派」が回答者全体の75%を占め、そのうち約6割が予算5000円未満と回答した。一方、「外出派」の約半数は5000円以上をかける傾向にあり、平均支出額は「おうち派」が約5356円、外出派が約9360円であった。

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