その答えと実践法を学ぶ講座「How to make Whatever」が、2026年1月15日(木)に開講します。「何でも」作れるチームの秘密について、Whateverの川村真司氏に寄稿していただきました。
11月27日(木)19:00~無料体験講座も開催。川村氏、富永勇亮氏、Saqoosha氏が登壇します。是非お気軽にご参加ください。詳細はこちら
こんにちは。WhateverのCCO(チーフ・クリエイティブ・オフィサー)の川村真司です。
僕たちWhateverは、領域やメディアの枠を超えて、アイデアの発想からそれを実装するまでを自分たちで手がけることを大事にしているクリエイティブスタジオです。
ブランドやサービス、プロダクトの開発、テレビCMやミュージックビデオなどの映像、Webサイトやアプリ、デジタルキャンペーン、空間や体験のデザインなど、その名の通り、“Whatever=なんでも”つくることが信条です。
そんな僕らのもとには、自分たちで企画し立ち上げたプロジェクト以外にも、日々さまざまな依頼が舞い込んできます。中には、お題としては面白いけれど、実現が難しそうな企画や、予算・時間・物理的に厳しい案件など、いわゆる“無茶振り”も少なくありません。
しかし中には「これが実現できたら、これまでにない表現や体験になる!」とワクワクするようなお題も。それらを見極め、「できない」を「できる」に変えていくことこそが、僕らWhateverの強みだと思っています。ここでは、その「なんでもつくる」を支えるチーム体制とマインドセットについて紹介したいと思います。
クリエイティブ・テクノロジー・ビジネスのトライアングル
Whateverでは、「クリエイティブディレクター(CD)」「テクニカルディレクター(TD)」「プロデューサー(P)」が三位一体のチームとなってプロジェクトに取り組みます。
広告やデジタル関連のコミッションワークでは、ストラテジー → クリエイティブ → テクノロジー → プロダクションといったように、段階的な制作プロセスの中で各フェーズを異なるチームが担当することが一般的です。
けれどこのやり方だと、戦略から制作、実装までの流れが分断されてしまい、初期段階で描いていたヴィジョンやアイデア、熱量が、技術や予算の制約によって徐々に薄まってしまったり、一貫性や整合性が失われてしまうことがよく起こります。
だからこそWhateverでは、クリエイティブ(CD)・テクノロジー(TD)・プロデュース(P)という異なる視点をもつ3者が、初期段階からワンチームで動く体制を取っています。アイデアを練る段階から、実装方法や時間・コストを同じテーブルで議論し、試作と検証をぐるぐると繰り返していくのです。
ちなみにWhateverでは、クライアントコミュニケーションだけを担当する「営業」という役職はありません。プロジェクトを現場でコントロールしているプロデューサーやクリエイティブディレクターが、直接クライアントと向き合って会話をすることで、コミュニケーションのロスを減らし、お互いの理解を深めながら共犯者のようにプロジェクトを推進していきます。
例えば、CDが出した最高のアイデアが、予算や技術的な制約によって実現しにくかったとしても、それに変わるクリエイティブなアプローチがTDから出てきたり、Pが全体の予算感やワークフローを踏まえた上で、実現に必要なプロトタイピングのためのコストを確保する――。
Whateverでは、このトライアングルによって「夢のようなアイデア」「予算や時間の制約」「技術のフィジビリティ」を交差させ、どこまで山の“高み”を目指せるのかということを、すべてのプロジェクトで追求しています。
こういったチームワークの考え方は、以前在籍していたクリエイティブエージェンシー「BBH」の創業者で、広告における僕の師匠の一人でもあるジョン・ヘガティから学んだものです。BBHという社名は、Bartle・Bogle・Hegartyという3人の創業メンバーの頭文字から取られていて、彼らがそれぞれ「クリエイティブ」「ストラテジー」「アカウント」のトップとして、三位一体のチームを動かしていました。
この体制を現代の制作環境や僕らの志向に合わせて進化させ、「クリエイティブ × テクノロジー × プロデュース」という形にアップデートしたのが、Whateverの三位一体モデルなんです。
次は、フラットな関係性が生むチームの強さ

