近年「インバウンドはモノ消費からコト消費へ変化した」「爆買いの時代は終わった」と言われるようになりました。実際、かつて一世を風靡した中国人訪日客による爆買いツアーは姿を消し、インバウンド消費のトレンドは大きく変わりました。
しかし、モノ消費では無くなったからといって、訪日外国人の数が減ったわけではないですし、訪日旅行中にお金を使う人が減ったわけでもありません。むしろ逆です。2024年の訪日外客数は3687万人を突破し、過去最多を記録。訪日外国人旅行消費額は8兆1257億円に膨れ上がり、こちらも過去最高を更新しています。
では、今の訪日客はどこでどのように「コト消費」をしているのでしょうか。
私たちが最新のトレンドから読み解いた結果、訪日客が真に求めている「コト消費」とは、単なるアクティビティ消費を超えた、より情緒的で深い体験だということがわかりました。それは、「日常生活では叶えられない理想の世界観に浸り、心の奥にある満たされない欲求を満たす体験」です。これは言い換えれば、一時的に理想の自分や理想の生活に没入し、心を修復するプロセスだと考えられます。
私たちはこれを「憧れ没入体験」と定義します。
それは「着物体験」や「茶道体験」といった表層的な日本らしい体験だけに留まりません。その証拠に、これまで定番とされていた旅行スタイルが多様化してきています。
今回の記事では、訪日インバウンドの主要プレイヤーである中国と韓国の若年層を例に、訪日客が求める真のコト消費、すなわち「憧れ没入体験」の正体を紐解いていきます。
