ゲーミフィケーション市場は2030年に約1900億円に
セガ エックスディー(セガXD)と電通は11月28日、ゲーミフィケーションとIPを組み合わせたキャンペーンパッケージ「Gaming Booster」の提供を始めた。アニメやゲームなどのキャラクターや世界観の魅力に加え、ゲーム的な行動設計を取り入れることで、生活者が思わず“参加したくなる”体験を生み出し、企業のブランディングやマーケティング課題の解決を狙う。
近年、マーケティング領域では能動的な参加を促す手法としてゲーミフィケーションの重要性が高まっている。セガXDによると国内市場は2024年の約463億円から2030年には約1915億円へと拡大すると見込まれ、ゲーム要素を軸にしたコミュニケーションは多くの企業にとって新たなスタンダードとなりつつある。こうした流れの中で、IPの持つ世界観やキャラクター性を基盤に、ゲームのレベルデザインや達成構造を組み合わせ、参加者のモチベーションを継続的に高める仕組みへのニーズが増えている。
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両社が共同で立ち上げた「Gaming Booster」は、IPの特性を踏まえた体験プランニングから、生活者の行動を促すゲーミフィケーション設計、そして広告・マーケティング領域での豊富な経験を持つ電通のクリエイティブ開発まで、一連のプロセスを統合して提供する点が特徴だ。セガXDはAR・VRを含むエクスペリエンスデザインに長け、電通はアニメ・ゲーム・映画などのIP活用とキャンペーン設計の知見を持つ。両社の強みが掛け合わさることで、ファン向け施策にとどまらず、ブランド認知の拡大や新規層の行動喚起まで見据えたキャンペーンを構築できるという。
施策実施後は参加データを収集・分析し、次回以降の施策精度を高める仕組みも整えた。単発のキャンペーンに終わらず、ブランドと生活者の関係を長期的に育てる視点を重視している点も今回の取り組みのポイントである。IPの世界観に没入しながら自然とブランド体験が積み重なるコミュニケーションの形は、ゲーミフィケーション市場の成長を背景に、今後さらに広がりを見せる可能性がある。

