生活者の意識・行動の変化が激しい時代。生活者の支持を得るブランドになるためには市場の動向に合わせてスピーディーな意思決定も必要です。こうした市場で顧客を増やし成長を遂げるスタートアップ企業では、どのようなマーケティング戦略が企画され、また実行されているのでしょうか。新興企業の戦略から新しいマーケティングの方法論を導き出します。
※本記事は月刊『宣伝会議』1月号の連載「急成長スタートアップ企業に聞く!『わが社のマーケティング戦略』」に掲載されています。
ユニファ
設立年 2013年5月
従業員数 約230名(派遣スタッフ・パート等を含む)※2025年6月時点
事業概要 保育施設向け総合ICTサービス「ルクミー」の開発・運営、「スマート保育園・スマート幼稚園・スマートこども園」構想の推進、保育関連テクノロジーの研究開発。
保育総合ICTサービス「ルクミー」を主軸に、テクノロジーの力で保育業務負荷を削減し、保育者の心と時間のゆとりを創出することを目指すユニファ。保育施設へのルクミーシリーズの導入数は累計2万件を超えている。
創業のきっかけは、代表取締役CEO土岐泰之氏が子育て中に感じたもどかしさだった。帰宅した子どもに保育園での出来事を尋ねても、本人は「忘れた」と答える。「保育園での様子が写真で見られたら、子どもとの会話のきっかけがつくれるのに」と感じていたのだ。
だが、保育施設の人材不足に加え、多岐にわたる業務をこなす保育現場では、写真を壁に張り出し集金するような手間のかかる作業に取り組む余裕はなかなか持てない。そこで始めたのが、保育者が撮影した写真を自動でアップロードしネット販売するサービスだった。
現在、同社では、園児の午睡時に安全を見守るセンサーを活用したルクミー午睡チェックや、業務効率化や保育の「質」の向上につながるICTサービスなど、保育者が子どもたちと向き合う時間を増やし、保護者の安心にもつながるサービスを複数展開する。
保育者が日々、子どもたちの成長を記録するために撮った写真を整理・管理・販売するフォトサービスも進化している。ルクミーの保育AI機能を活用することで、ブレている写真や不適切な写真を自動検出するなど、管理業務をより効率化させている。
サービス名「ルクミー」の由来は、「Look at me(私を見て)」。子どもと向き合う時間をもっと増やしたい、と始まった取り組みならではのネーミングだ。
同社の顧客は、ルクミーを導入する保育施設であり、その園に通う子どもの保護者がエンドユーザーとなる。toBとtoCの両面でマーケティングを行う。商品企画部のほか、顧客の課題を把握する営業や、システム開発の部門も、マーケティング視点を持ち一体となって進めている。
保育施設での子どもの写真を、オンラインで販売するサービスから始まったユニファ。AIを活用し、保育者の業務負担を減らすサービスを複数展開する。
…この続きは月刊『宣伝会議』1月号で読むことができます。

