ポケカ・ハッピーセットには批判、任天堂には称賛の声 「転売」は誰の責任か? 2025年の転売問題、企業対応の明暗

ワークマンなど対策に乗り出す企業も

「転売ヤーの買い占めで買えない」「ずっと対応しない株ポケも問題じゃない?」。2025年末、人気カードゲーム「ポケモンカードゲーム」の構築済みデッキが入手できない状況を巡り、SNSにはこうした不満の声が上がった。すぐに遊べる構築済みデッキが全100種類の中からランダムで封入される商品だが、その一部に希少性の高いカードが含まれており、「転売ヤー」に目をつけられた形だ。SNSでは怒りの矛先の一部は転売業者だけでなく、対策が不十分だと受け止められた企業側にも向けられており、公式も冷静な行動を促す声明を出している。

2025年は、カードゲームに限らず、Nintendo Switch 2やマクドナルドのハッピーセットなど、人気商材を巡る転売問題が相次いだ1年だった。不満が企業側に向かうケースが目立つ一方で、対策を講じた任天堂には称賛の声が集まる場面もあった。もはや購入者や転売業者だけの問題ではなく、企業の責任を問う論調が強まった1年だったといえる。

こうした状況を受け、各企業が転売行為に対する注意喚起や具体的な対策を講じる動きも広がった。

※※※※※

相次いだ転売騒動、怒りの矛先は企業にも

5月に起きた日本マクドナルドの「ハッピーセット」を巡る騒動を記憶している人も多いだろう。グッズ展開やアニメ化を通じて社会現象ともいえるブームを見せている「ちいかわ」とコラボしたハッピーセット第1弾は、発売から3日で販売終了となった。第2弾も翌日には多くの店舗で販売を終え、再販売を予定していた第3弾は中止された。

「ちいかわ」とコラボしたハッピーセット

「ちいかわ」とコラボしたハッピーセット

第2弾の販売前には「1人4セットまで」という購入制限や転売自粛の呼びかけが行われていたが、結果としてフリマサイトには関連商品が大量に出品された。SNSでは転売行為への強い嫌悪感に加え、「なぜ企業やプラットフォームはこの事態を予測できなかったのか」「設計そのものに問題があったのではないか」といった構造的な指摘が目立つようになった。

メルカリが打ち出した「構造で防ぐ」転換

こうした状況を受け、最大手フリマサービスのメルカリは5月21日、「安心・安全なマーケットプレイスの実現」に向けた新方針を発表した。

次のページ
1 2 3 4
この記事の感想を
教えて下さい。
この記事の感想を教えて下さい。

この記事を読んだ方におススメの記事

    タイアップ