「AIインフルエンサー」の誕生はクチコミマーケティングのチャンスか、リスクか

2025年9月。世界初の「AI女優」と称される Tilly Norwood(ティリー・ノーウッド)が発表され、そのニュースは世界中を駆け巡った。そのニュースを見た、映画に携わる団体や俳優からは批判的な声明が多く出され、議論を巻き起こす事態に発展。ここまで強い拒絶反応が出たのは、このティリー・ノーウッドがタレント事務所と“女優として”契約する意向を示したことが要因のようだ。

ただのコンテンツとしてSNSで投稿するだけの「AIキャラクター」であれば容認されたかもしれないが、生身の俳優たちと同じくタレント契約を締結するとなると、俳優たちはAIに仕事を奪われかねない。制作面においても、映画のつくり方自体が大きく変わることは容易に想像がつく。関係各所から拒絶反応が出るのも当然の流れだと思われる。

今回はクチコミマーケティング協会 運営委員 秋葉隆由(東急エージェンシー)がAIインフルエンサーやAIキャラクターの可能性やリスクについて解説します。

実は日本でもすでにAIインフルエンサーは誕生している

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※画像はイメージです Photo By photoAC

では、先述の「AI女優」といったようなAIが生成した人物の登場による影響は、日本国内ではどのような状況なのだろうか。

今回の記事テーマでもあり、クチコミマーケティングに影響が出るであろう「AIインフルエンサー」という括りで調べてみると、日本でも既に誕生しており、PR投稿も行なっていた。クチコミマーケティング協会(WOMJ)の中立性を考慮して、日本国内で活動している特定のインフルエンサー名や会社名を挙げることは本記事においては控えるが、ざっと調べただけでも数名の日本産AIインフルエンサーを見つけることができた。

特徴としては、性別は女性、年齢は20代。まだ動画での投稿はAI生成の精度が追いついていないからか、静止画での投稿がメインとなっている(そのため、静止画との相性が良いInstagramをメインのSNSに据えて活動しているケースが多い)。

現時点ではAIだと分かるので、そういうコンテンツなのだと割り切って見ることができる。実際にPR投稿でも、AIだからこそ可能な、日常の世界観に合成技術によるギミックを加えた画像で投稿しており非現実なコンテンツとして楽しめるため、筆者個人の所感としては、そこまで違和感や拒否感はなかった。

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クチコミマーケティング協会(WOMJ)
クチコミマーケティング協会(WOMJ)

当協会は2009年7月、日本におけるクチコミマーケティング業界の健全なる育成と啓発に貢献するために「WOMマーケティング協議会」として発足しました。2023年9月1日から法人化し、一般社団法人「クチコミマーケティング協会(WOMJ)」になりました。会員社・会員は、クチコミマーケティングに関わる様々な法人と個人です。各種の調査や研究、議論を行い、「WOMJガイドライン」の策定などに取り組んでいます。なお、WOMJ運営委員会副委員長の山本京輔氏は、2022年の消費者庁・ステルスマーケティング検討会に検討委員として参加。景品表示法での「ステマ規制」の作成に協力しました。

クチコミマーケティング協会(WOMJ)

当協会は2009年7月、日本におけるクチコミマーケティング業界の健全なる育成と啓発に貢献するために「WOMマーケティング協議会」として発足しました。2023年9月1日から法人化し、一般社団法人「クチコミマーケティング協会(WOMJ)」になりました。会員社・会員は、クチコミマーケティングに関わる様々な法人と個人です。各種の調査や研究、議論を行い、「WOMJガイドライン」の策定などに取り組んでいます。なお、WOMJ運営委員会副委員長の山本京輔氏は、2022年の消費者庁・ステルスマーケティング検討会に検討委員として参加。景品表示法での「ステマ規制」の作成に協力しました。

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