13ミリの粒に描いた「極小アニメ」の制作背景 受験シーズンのたびに売上更新の「森永ラムネ」、選ばれるための工夫とは 

受験生を支える親世代の愛情も表現

森永製菓は「森永ラムネ」332粒の両面にイラストを描き、コマ撮りでアニメーションムービーに仕立てた「ラムネアニメ」を1月9日から公開している。イラストが描かれている大粒ラムネはわずか直径13ミリで、美術大学の学生5人が手書きで描いた。アニメの完成には延べ330時間かかった。

同社は4年前からキープコンセプト「受験と言えば森永ラムネ」に伴うブランディングを強化しており、受験で想起される商品ナンバー1を目標に掲げる。商品の受験シーズンでの売り上げも毎年更新し続けているという。

受験生の姿を描いた「ラムネアニメ」

「よび覚ませ、集中力。」をテーマにした受験生応援シリーズの第4弾。「森永ラムネ」は、ブドウ糖を90%配合しており、受験シーズンの本格化に合わせて受験生とその家族に向けて訴求している。

「呼びさませ、集中力」というタグラインのとおり、同社は「集中力を必要とする人」を応援することをラムネの商品価値としている。その価値を伝えるため、受験をテーマにしたアートを昨年から制作。極限まで集中しないと作れないアートによって「集中することでこれほどのものを作れる」ということを訴求する狙いもあり、昨年は4万弱の大粒ラムネを並べて絵をつくる「ラムネドットアート」を制作した。

今年はミクロの世界に挑戦

【受験生応援広告】『ラムネアニメ』【森永ラムネ】

今回は、直径13ミリの小さなラムネ一粒一粒に人の手で絵を描き、それらをつなぎ合わせてアニメーションにする「ラムネアニメ」に挑戦した。電通クリエイティブディレクターの濱田雄史氏は企画に至った背景について、今回も「集中のアート」を検討する中で、昨年はできるだけ大きなアートに挑戦したことから、今回は真逆の発想として「できるだけ小さなミクロの世界に挑戦しよう」と考え、ラムネに絵を描くというアイデアに至ったと説明する。その絵を重ね合わせて物語を紡ぐことで、よりエモーショナルに受験生を応援できるのではないかと考え、アニメーション表現にチャレンジしたという。

アニメは受験生の娘と陰ながら支える父親の視点を描いている。努力を重ねてきた日々や入試に向けて気持ちを高めていく様子を情緒的な音楽とともに表現した。

裏側には受験生の親の視点を描いた

粒の裏側にもラムネアートが施されており、頑張る学生を文字通り裏側から支える父親や母親の温かな視点が描かれている。表面の娘の孤独に見える受験勉強の奮闘の物語の裏側で、実は両親が裏で支えてくれていたことが分かるという仕組みで、表と裏の対比の物語を楽しめる。テレビを消して静かにしたり、毛布かけてくれたりといった親の愛情を描くことで、少しでも子どもの力になりたいという親世代の共感を呼ぶ狙いだ。

受験生本人だけでなく、「陰ながら支える父親や家族の視点」を描くことで、孤独な気持ちになることが多い受験生に寄り添う意図がある。濱田氏は「普段、気づかないこともあると思うけど、あなたは一人ぼっちではなくて、お父さんやお母さんが、いつもそばにいて応援してくれて、支えてくれているんだよ。」といったメッセージを伝えることで「集中力」だけに至らない形で応援したいとしている。

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