ここ数年、企業の広報担当者に求められる業務がますます増えています。その最たる例が、SNSを活用した情報発信業務ではないでしょうか。
広報担当者がSNSを活用した情報発信を行う際に特に注意したいステルスマーケティング(ステマ)対策については、3つのポイントがあります。その背景も含めて、クチコミマーケティング協会 運営委員の新井健太(電通PRコンサルティング)が解説します。
企業の広報担当にとって「ステマ対策」がなぜ必要か
広報担当者に求められる代表的な業務として、メディアリレーションズ業務があります。これは、報道メディアに対して自社の持つ情報や商品・サービスなどを提供することで、記事や番組などの報道露出を獲得することを指します。
例えば、新発売される商品をいち早く提供したり、自社で開催するプレス限定イベントに招待して取材をしてもらったりすることで、報道のネタとなる情報を提供します。多くの広報担当者が日頃から実施されている業務内容かと思います。
本記事でお伝えしたいのは、露出先が報道メディアではなく、インフルエンサーなどによる「SNS投稿」になった瞬間、状況が一変するということです。
従来、メディアリレーションズ業務で行っているような情報提供が、マーケティング主体と情報発信者との間に生まれる「関係性」に変貌し、SNS投稿は「クチコミマーケティング」として扱われるのです。
当協会では、クチコミマーケティングにまつわる自主基準「WOMJガイドライン」を設けており、このガイドラインの中で「関係性」の有無の判断基準を以下のように定めています。
ア 次のいずれかに当てはまる場合、マーケティング主体と情報発信者との間には「関係性がある」とする。
【解説】
③ ア 関係性の有無の判断基準
アのaからdのいずれか一つにでも当てはまる場合には「関係性がある」とします。以下に、aからdの個々の判断基準を示します。
a 情報発信者に対して、クチコミマーケティングを目的とした重要な金銭・物品・サービスなどの提供が行われる場合
b マーケティング主体または中間事業者が、情報発信者の発信する情報内容の決定に関与する場合
c マーケティング主体または中間事業者と、情報発信者との間に契約関係や取引関係などの「係わり」があることにより、情報発信者から発信される情報内容が「情報発信者の自主的な意思によるもの」と客観的に認められない場合
d 情報発信者が自身の所属する組織や利害関係にある組織に関する情報を発信する場合
出典:WOMJガイドライン
このような関係性がある場合は、WOMJガイドラインや景品表示法に従い、関係性の明示を行わなければなりません。
インフルエンサー投稿は「クチコミマーケティング」である
最近では、SNSで影響力を持つインフルエンサーの存在が広報の分野でも非常に大きくなってきており、報道メディアとのリレーションを築くのと同様に、インフルエンサーとのリレーションを築くことも大切であると思います。


