広告もファッションショーのように“夢を売る”ものへ—小泉智貴さん「私の広告観」出張所

月刊『宣伝会議』では、社会に大きな影響を与える有識者が、いまの広告やメディア、コミュニケーションについて、どのように捉えているのかをインタビューする企画「私の広告観」を連載中。ここでは「私の広告観 出張所」として、インタビューの一部や誌面では掲載しきれなかった話をお届けします。今回登場するのは、圧倒的なボリュームのフリルと独特なフォルムのドレスでファッション業界を席巻した、ドレスデザイナーの小泉智貴さんです。

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小泉智貴さん(こいずみ・ともたか)

1988年千葉県生まれ。ドレスデザイナー/美術作家。15歳より独学でドレス作りを開始。2011年、千葉大学在学中に「TOMO KOIZUMI」を立ち上げ、衣装デザイナーとして活躍。2021年、東京オリンピック開会式にて国歌斉唱の衣装を担当。また近年は、NIKEやsacaiなど世界的ブランドとのコラボレーションを数多く手掛けている。2022年からは美術作家としての活動も開始。ファッションとアートを越境する取り組みを続けている。

Photo Jumbo Tsui

Q.フリルを大胆にあしらった独特のボリューム感に、多彩な色使いが特徴的なドレスで、顧客にはレディー・ガガやビョークなどの世界的アーティストが名を連ねる小泉さん。2021年に開催された東京オリンピックの開会式で、国歌斉唱を務めたMISIAが小泉さんのドレスを着用したことでも話題となりました。そんな小泉さんがドレスデザイナーになろうと思ったきっかけを教えてください。

きっかけは15歳の時でした。たまたま雑誌で見かけたオートクチュールデザイナーであるジョン・ガリアーノのドレスに衝撃を受けて。ファッションの世界に魅了された私は、その頃から独学で服づくりを始めました。

そんななか大学4年生の時、自作の服を友人に着せてクラブに行くと、その姿がある雑誌にスナップされました。すると、その写真を見た有名セレクトショップから「店に置きたい」とオファーを受けたんです。

大学卒業後はスタイリストのアシスタントとしてやっていけたら、と漠然と考えていたんです。ところが、セレクトショップで自分の服を販売することとなり、突然の展開に驚きつつも、迷いや躊躇はなく、ブランドの立ち上げに奔走しました。

「クライアントワークはお互いに歩み寄れる部分を探り合って一緒につくっていくので、いつも非常に勉強になります。自由に自分の作品をつくるときよりも、進む方向が決まっていて制限が少しあるほうが、僕自身は、やりやすさを感じます」(小泉さん)。

Q.今の時代の広告について考えていることを教えてください。

学生の頃はファッション誌を見るのが好きで、書店に足繁く通っては、棚に並んだファッション雑誌を片っ端から立ち読みしていました。その頃からメディアに興味を持ち、ファッション誌に関わる仕事にも関心を持った時期がありました。

学生の頃からずっと雑誌ばかり読んできたせいか、印刷物のビジュアルに説得力を感じます。キャッチコピーや写真、グラフィックデザインなど、すべてが調和した美しい広告ってありますよね。見るとその商品を購入したくなってしまう欲求に駆られることがあります。

ファッションショーも、一種の広告ですよね。企業やブランドが商品を披露し、人々の購買意欲を掻き立てる。

それだけではなく、ファッションショーのように、人々がワクワクする、憧れるといったポジティブな感情を掻き立てるものとして、“物を売る”というよりも、“夢を売る”存在としての広告があっても良いのではないかと思います。

Q.今後の展望を教えてください。

2025年、東京・白金台の宴会式場「八芳園」にて取り扱うウェディングドレスコレクションを発表しました。

実はずっと、一般の人に僕のドレスを着用してもらえないかとタイミングを見計らっていました。今回、八芳園さんからお話をいただいて、念願が叶い嬉しく思っています。結婚式という人生で最も幸せな瞬間に、僕のドレスで輝いてもらいたいと思います。

Photo Jumbo Tsui
2025年10月1日、「TOMO KOIZUMI」はブランド初となるウェディングドレスコレクションを発表。

さらに今後、まずは国内で事業を軌道に乗せ、その後に、アジア、さらにアメリカやヨーロッパへと拡大させていきたいです。自分がつくったコスチュームやドレスを身に纏った人がステージで披露し、それを見た人が感動する。そのプロセスに関われることが、私のものづくりの活力となっています。

…小泉さんのインタビュー記事全文は、月刊『宣伝会議』2026年2月号に掲載しています。

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