東京五輪からロス五輪へ 三井不動産がオリンピック協賛を継続するワケ

三井不動産は、なぜTEAM JAPANゴールドパートナーを続けるのか。同社の協賛は2015年にパートナー締結の東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会(以下、東京2020大会)から始まり、パリ2024大会、ロサンゼルス2028大会へと続く。その背景には、単なるスポンサーシップを超えた「街づくり」というビジョンがある。

三井不動産 広報部 ブランド・マネジメントグループ スポーツ・エンターテインメントチーム 主事の栗田智仁氏は、「我々の持ってる場所とそのコンテンツとの親和性がすごく高い」と語る。同社が持つ不動産という「場」と、オリンピックという世界的な「コンテンツ」を掛け合わせることで生まれる独自の価値と、その戦略に迫る。

手応えは、露出と“場の活用”

三井不動産が本格的にスポーツ協賛へ乗り出したのは2015年である。東京2020大会のゴールド街づくりパートナーに就任したのが、その始まりだ。

翌2016年にはバスケットボール、車いすラグビー、スポーツクライミングの競技団体スポンサーも開始した。その後、二度の契約更新を経て、ロサンゼルス2028大会までのパートナーシップを継続している。契約を継続している背景には、スポンサーシップによる効果がある。

栗田氏によると、スポンサーシップの評価軸は2つあるという。一つはメディアでの「露出」だ。オリンピックというテーマはメディアの注目度が高く、イベントを行えば多くの媒体に取り上げられる。

もう一つは「場の活用」である。ロゴを掲出するだけでなく、自社が開発・運営する施設を使い、オリンピック関連の体験イベントなどを提供する。これが、三井不動産が「街づくりパートナー」として行う支援の一つである。

日本橋全体を五輪に彩る「シティドレッシング」

「場の活用」の一例が、日本橋エリアで行われる「シティドレッシング」である。大会期間中、街全体をオリンピック関連のデザインで装飾する取り組みだ。三井不動産が所有する複数のビルの壁面にTEAM JAPANの選手たちのグラフィックを掲出する。中央通り沿いに複数の所有物件があるため、それらを一体的に活用し、街全体を使った装飾が可能となる。これは、デベロッパーとしての特性を活かした手法である。例えば、リオ2016大会後には、銀座から日本橋までの中央通りでメダリストのパレードが実施され、選手団と応援タペストリーが重なった。

日本橋シティドレッシング for TOKYO 2020。中央通りを中心とした日本橋室町エリア一帯をジャックして東京2020大会エンブレムやアスリートの肖像を用いた大型グラフィック等を掲出して街全体をドレッシングし、東京2020大会や日本代表選手団を応援する取り組み

リオ2016大会の日本代表選手団のメダリストパレード(アフロスポーツ撮影)

スポーツと街の連携は、事業の一つとなっている。2024年には、商業施設本部が「商業施設・スポーツ・エンターテインメント本部」へと名称を変更。広報部にも専門チームが置かれ、ハード(アリーナ開発など)とソフト(イベント企画など)の両面から、スポーツ・エンターテインメントを活かした街づくりを進めている。

MIYASHITA PARKやららぽーとといった商業施設で、スポーツコンテンツを掛け合わせたイベントを展開することは、施設に新たな魅力を与え、人々が集うコミュニティを育むことにもつながっている。

東京ミッドタウン日比谷、COREDO 室町テラスで開催された「ふつうじゃない2020展」。“「ふつうじゃない」って、最高だ。”というコンセプトのもと、東京2020大会の競技・種目、選手について、楽しく遊んで学べる体験型展示イベント。イベントには約42万人が来場した

LaLa arena TOKYO-BAY(千葉県船橋市)、MIYASHITA PARK(東京都渋谷区)のスケート場やボルダリングウォール

次のページ
1 2
この記事の感想を
教えて下さい。
この記事の感想を教えて下さい。

この記事を読んだ方におススメの記事

    タイアップ