「ガラスの崖」とは、企業が危機的状況にあるタイミングで女性がトップに抜擢されやすい傾向にある現象を指す言葉。元々リスクが高い状況であるにも関わらず、失敗すると「だから女は…」と烙印を押されやすいことの例えだ。このような風潮に対して異を唱えるべく、ヨーロッパの投資アプリDEGIROとAKQAが2020年に開始したのが「Pink Chip」だ(本記事は、国際女性デー関連企画として、橋口幸生著『クリエイティブ・エシックスの時代』から一部を抜粋・編集して掲載しています)。
新NISAの登場で、これまで貯蓄中心だった日本でも、投資が注目されるようになりました。残念ながら投資の世界も男性中心であり、投資家の5人に4人は男性と言われています。一方、世界のCEOのうち女性が占める割合はわずか7%です。ノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院の2021年の研究によると、男性投資家は女性がCEOに就任するとその企業の株を売却する傾向があり、これにより株価が下がるという研究が過去多くなされています。結果、ますます女性CEOが誕生しにくくなるという悪循環が起きているのです。
しかし、ワシントン・タイムズやハーバード・ビジネス・レビューは、女性が経営層に多い企業は利益率が高いと指摘しています。S&P グローバルの2019年の調査によると、女性CEOやCFOのいる企業は市場平均より株価が高いとされています。女性CEOの企業の株を売るのは非合理的であり、ファクトではなくバイアスに基づいた判断と言えます。女性CEOだけではなく、男性投資家も損をしているのです。
投資家が女性CEOの企業を正しく判断できるように、ヨーロッパの投資アプリDEGIROが開発したのが「Pink Chip」です。開発は広告クリエイティブ・エージェンシーのAKQAが担当。国連も協力しています。「Pink Chip」は米国市場を対象とし、女性が率いる企業の業績を業界ベンチマークや男性の競合他社と比較して追跡するインデックスです。日経平均やS&P500の女性企業版と考えれば、わかりやすいのではないでしょうか。
「Pink Chip」Webサイト
