システム障害から復旧したアサヒビールがCMや新商品で伝える「感謝」、お詫びで終わらない「再出発コミュニケーション」

SNSでは感謝と応援の声多数

「アサヒビール復活、よかった」。アサヒグループジャパンは2月、昨年のサイバー攻撃に伴うシステム障害によって混乱していた物流が完全に正常化したと発表した。一部商品の受注・出荷が停止し、販売店では品薄や欠品も発生していたが、「X」では今回の復旧を受け、感謝や応援の声が多数寄せられた。

2月20日にはCM「復旧・復興&感謝」篇、3月2日にはアサヒスーパードライのCM「感謝」篇を公開し、復旧を支えた関係者への謝意と再出発への姿勢を打ち出した。さらに感謝の気持ちを伝えるための活動や新商品「アサヒゴールド」の発売も企画。同社担当者に、再出発に込めた思いを聞いた。

4月14日に発売する「アサヒゴールド」

2025年9月29日に発生したサイバー攻撃では、複数のサーバーやPCのデータが暗号化され、社内システムが停止した。国内グループ会社では受注・出荷業務やコールセンター業務が止まり、被害拡大を防ぐため、VPNや拠点間ネットワーク、クラウド接続などを遮断し、データセンターを完全隔離する措置も講じた。

その結果、業務システムにアクセスできない状態となり、ビール、飲料、食品などの物流業務は長期間にわたって混乱した。

影響は物流の混乱だけにとどまらず、従業員や退職者、取引先関係者など約11万5000件の個人情報が流出した可能性も確認された。

「お詫び」で終わらせず、感謝と再出発を伝える

こうした状況を経て、同社は2月に物流の回復を発表した。2月20日にはアサヒビールの公式アカウントが「アサヒグループからのお詫びと御礼」と題する文章を投稿。コメント欄には「ビールと言ったらアサヒでしょって言うくらい、好きです」「命続く限り飲み続けます」「企業価値は売上では測れない。有事にどれだけ正直でいられるかで決まる」といった声が寄せられた。

こうした反応について、アサヒビール マーケティング本部 コミュニケーションデザイン部の岡村知明次長は、「今回のシステム障害で皆様に大変なご迷惑をおかけしてしまったにもかかわらず、このような応援の声をたくさん頂戴したことは本当にありがたく感じております」とコメントした。

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