よつ葉乳業(札幌市)は3月24日に都内で2026年度の新商品発表会を開催した。2026年度上期に、家庭用商品のブランド戦略を見直し、新商品の単発的な訴求から「よつ葉」全体を押し出すブランディングへと軸足を移す。パッケージデザインとプロモーションを一体で刷新し、カテゴリー横断でブランド価値を高めていく方針だ。発表会では、2026年度の大きな方針のひとつとして「よつ葉ブランドの価値をわかりやすく発信し、認知度、理解度向上を図る」と説明した。
背景にあるのは、商品ごとの認知のばらつきだ。同社によると、乳業メーカーとしての認知は約6割ある一方で、家庭用商品の個別ブランドになると、ヨーグルトやアイスクリームなどは十数%から一桁台にとどまるという。商品を購入している消費者からも「これ、よつ葉の商品だったのね」といった声がよく挙がるといい、商品単体のプロモーションだけではカテゴリー横断で売り上げをつくることが難しいと判断した。
これまで同社は、新商品のプロモーションを主軸に据えてきた。ただ、その手法では新商品の認知獲得で大きな成果を上げきれなかったという。そこで2026年度は、個別商品の販促ではなく、家庭用商品全体を「よつ葉ブランド」として押し出す方向に切り替える。橋本光記・商品開発グループ部長は、単品ごとのプロモーションではなく、家庭用商品全体を押し出していく考えに基づいて今回の戦略を採ったと説明した。
ヨーグルトを皮切りに、カテゴリー横断で「よつ葉」を見せる
戦略転換の起点になるのが、パッケージデザインの刷新だ。家庭用商品では「よつ葉」と一目で伝わるデザインに改め、カテゴリー横断でフォーマットをそろえることで、売り場での視認性を高める。まずはヨーグルトから始め、今後はチーズやアイスにも順次広げる計画だ。
北海道十勝プレーンヨーグルト生乳100しっかりなめらかのパッケージ(左がリニューアル前・右がリニューアル後)。発表会では、消費者調査を反映し、売り場で最も伝えるべき情報が一目でわかる構成(生乳100を訴求)に見直すことも説明された
プロモーション面でも、商品ごとの訴求から共通テーマ型の発信へと改める。コミュニケーションテーマは「よつ葉のある暮らし」。牛乳、バター、ヨーグルト、チーズといった複数カテゴリーの商品を同じ広告フレームで見せることで、消費者に「乳製品まわりはよつ葉」という想起を形成したい考えだ。
2026年度上期は4月28日の「よつ葉の日」を起点に、6月の牛乳月間や9月の北海道フェアなどのタイミングでブランド露出を強化する。SNSを活用したオープンキャンペーンも予定しており、ブランドへの参加意識を高める狙いだ。商品単体ではなく、よつ葉全体への興味と接点を広げる施策へ切り替えることで、同社は家庭用事業の再成長につなげたい考えだ。




