まず、こちらのグラフをご覧ください。
この図はSNSアプリの年代別の利用者数を表しています。60代以上の世代をまとめて「シニア」と呼ぶことが多いですが、数字を見ると60代と70代では大きな隔たりがあります。60代はほとんどの人がスマートフォンを持っていますが、シニアだから家族との連絡手段として強制的にスマートフォンを持たされているのではなく、むしろ私たちと同じように、タイムラインを眺めながら情報を摂取して友人の投稿にリアクションをしている60代の姿が想像できます。
続いて、こちらのグラフをご覧ください。
これはインターネットの検索サイトを利用する生活者の割合を各年代で横並びにしたものです。意外なことに、60~64歳において最も利用率が高いという結果が出ています。スマートフォンでSNSアプリを利用しているだけでなく、暮らしにおける疑問やわからないことを検索サイトで調べる行動も定着しているのです。ここまで見ると、シニアとして一括りにされがちな60代と70代以上との間に存在する質的な違いがはっきりと浮かび上がってきます。
では、私たちはこの現実を踏まえて市場を見ることができているでしょうか。日本は世界に先んじて高齢化が進む国ですが、誰も経験したことのない超高齢社会のマーケットでは、その勝ち筋や戦い方がいまだにはっきり見えていない部分も多いようです。本書では、一見理解しているようで実は未知の部分が多いシニア市場の構造を解き明かし、これから取り組むべきマーケティング活動の示唆を探りたいと思います。
シニアについて学ぶことで、これからのマーケティングのものさしにしたい
近年のさまざまな書籍やレポートによってシニア層の多様性に対する認識は徐々に高まってきました。一方で、それらの知見を踏まえたマーケティング実践はまだ発展途上と言わざるを得ません。
日本では2025年に平均年齢が50歳近くになると予測され、50歳以上の人口が約6000万人に達すると言われてきました。マーケットが大きいからこそ「シニアはこうだろう」と安易に決めつけるのではなく、仔細に検討することが重要だと考えます。そうすることで、私たちは最適なマーケティング戦略を導き出せるはずです。

