「宣伝会議のこの本、どんな本」では、当社が刊行した書籍の内容と性格を感じていただけるよう、「はじめに」や識者による本の解説を掲載しています。今回は、4月9日に発売した『ELG(エコシステム・レッド・グロース)パートナー/代理店と共に成長する次世代型マーケ・営業組織の事業戦略』(梅木俊成、井上拓海 著)から「はじめに」を公開します。
梅木俊成・井上拓海 編著
定価:2,200円(本体2,000円+税)
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パートナービジネスにサイエンスを(文・井上拓海)
書店に足を運べば、マーケティング、セールス、カスタマーサクセスに関する書籍が数多く並んでいます。特に直販の領域では、「THE MODEL」に代表されるように、プロセスを分解し、KPIで管理し、改善を積み重ねていく考え方が、一定の型として広く知られるようになってきました。
一方で、日本企業において広く行われているパートナービジネス(間接販売)の領域では、こうした考え方が十分に浸透しているとは言いがたいと感じています。
多くの企業では、代理店営業が今なお担当者の経験や関係性に大きく依存しており、直販領域では一般的になりつつある「データに基づく意思決定」や「再現性を意識した設計」が、十分に取り入れられていないケースも少なくありません。
私はこれまで、大手企業からスタートアップまで、さまざまな企業のパートナービジネス支援に関わってきました。その中で繰り返し感じてきたのは、「何を手がかりに改善すればよいのかが分からないまま、手探りで施策を続けている現場が多い」ということでした。
勉強会を実施する、情報提供の機会を増やす、交流の場を設ける。
こうした取り組み自体は非常に有効な施策ですが、「それがどのような成果に繋がっているのか」「どこを改善すれば良くなるのか」が十分に整理されないまま、点となった施策だけが積み重なっているケースも多く見受けられます。
こうした課題意識を持ち続けていた折、株式会社電通にてBtoB専門の電通グループ横断組織「電通B2Bイニシアティブ」をリードする梅木氏とご一緒する機会を得ました。梅木氏は、数多くのエンタープライズ企業の変革を支援してきた実績を持ち、BtoBマーケティングのマクロ的な潮流と、現場支援を通じたミクロの実務を知り尽くした人物です。
梅木氏と議論を重ねる中で、私たちが行き着いたのは、この領域にこそ「サイエンス」を持ち込む必要がある、という結論でした。
