必要なのは、答えを当てる力ではなく、「問い」をつくる力
では、その核はどう見つけるのか。私はそこに、創造的思考が必要だと考えています。創造的思考というと、新たなアイデアを出すことだと思われがちですが、私はそれに付け加え、生活者、事業、社会、未来をつなぎ直し、「本当に向き合うべき問いは何か?」を見出す力と捉えます。
例えば、「若年層にもっと好かれたい」という課題があったとします。このとき、すぐに見た目を若くする、言葉を若年層向けにする、SNS施策を増やす、という方向に進むこともできます。でも一歩引いて考えると、本当に問うべきことは「ブランドが、若年層の人生や価値観の中でどんな役割を果たしたいのか?」かもしれません。問いが変わると、見える選択肢も変わります。ここに、創造的思考の実務的な価値があります。
ブランディングとは、核を「判断軸」に変えていくこと
良い問いが立てば、ブランドの核が形づくられます。パーパスやビジョンを言葉や視覚的な要素で定義し、組織の判断軸にしていく。デザインやコピーを整えるだけでは、ブランドは育ちません。商品やサービスの体験、接客やカスタマーサポート、採用や社内の意思決定まで、さまざまな接点で「らしさ」が一貫していて初めて、ブランドは強くなっていきます。
逆に言えば、単発の施策だけを繰り返しても、ブランドはなかなか積み上がりません。一つひとつの施策が、同じ核から生まれているか。現場で迷ったときに、その核が判断の拠りどころになっているか。良いブランディングとは、社外向けの表現が美しいだけではなく、社内でも迷ったときに立ち返れるものだと思います。
AI時代だからこそ、人間的なブランディングへ
これから先、効率化や最適化はますます進んでいくはずです。その流れ自体に抗う必要はありません。むしろ積極的に活用すべきだと思います。ただ、その一方で、ブランドにとって大事になるのは、平均点を上げること以上に、「何を信じるか」を決めることです。便利さが増すほど、意志のないブランドは似通っていく。逆に、意志のあるブランドは、技術を味方につけながらも、らしさを深めていけるはずです。
そしてこれからのブランドは、検索・推薦・要約を担うAIにも、正しく解釈される必要があるでしょう。そのために求められることも、結局は変わりません。ブランドの核が明確で、各接点から一貫したシグナルが発せられていることが重要であるからです。
今回開講する「創造的思考でブランドの核をつかむ ブランディング実践講座 萩原幸也クラス」では、こうした問題意識を起点に、ブランドの立ち上げ・再定義・運用を、実務に引きつけながら考えていきます。ブランド課題に正解はありません。しかし、判断の拠りどころになる核を作ることは可能です。ブランディングを、表層的な表現論ではなく、実務の力として身につけたい方とご一緒できればと思います。そして、この講座が、私も含めて、皆さんと一緒に問いを深め、思考を磨き合える場になればうれしいです。
創造的思考でブランドの核をつかむ ブランディング実践講座 萩原幸也クラス
| 開講日 | 2026年7月31日(金) 19:00~20:30 |
| 講義回数 | 全3回 |
| 開催形式 | 教室(表参道)とオンラインを各回自由選択できるハイブリッド形式 |
6月12日(金)19:00 ~無料の体験講座を実施。ぜひお気軽にご参加ください。詳細はこちら。


