PRへの転職成功の鍵は、「露出を売る」から「ストーリーを設計する」への発想転換

PR会社の営業職(PRコンサルタントやPRプランナー、メディアプロモーターなど)への転職を検討する際、仕事の内容としては「メディアへひたすら売り込み」というイメージをお持ちの方も多いかと思います。そのような業務も実際ありますが、それが「仕事の本質」ということではありません。

マスメディアンでPR職種を専門に支援する長野茜氏に、PR営業転職の実態と成功のポイントを聞きました。転職市場が活況を呈する今、未経験からでも挑戦可能なPR営業のキャリア戦略をお伝えします。

「メディアへの売り込み」は誤解?PR営業の仕事とは

Q:PR会社への転職を検討する方から、どのような相談を受けることが多いですか。

PR会社の求める人物像についてご相談をいただくことが日々多い状況です。

PRというとテレビ局や雑誌社などのメディアへ足繁く通い、記事として取り上げてもらうよう売り込んでいくという、華やかかつ泥臭いイメージをお持ちの方も多いのですが、仕事の醍醐味は「露出を売る」ではなく「ストーリーを設計する」ことなんです。

季節や世のトレンドなどと上手く絡め、メディアが取り上げたくなる切り口を考え、担当する企業や自治体、商品やサービスを世に広めていくPRの仕事は、時代にアンテナを常にはる力、プランニング力などが問われます。

Q:転職市場の状況はいかがでしょうか?

既存メディアに広告を打つことよりPRやSNSでの発信に力を入れる企業が増える昨今、PRを募集する求人は増えており、若手を中心に業界未経験の方も歓迎する求人も多くなっています。実際、世の中のPR会社の大半が、PR未経験の異業種からの方を採用されているケースが多いのが現状です。

その背景には、生活者の情報収集行動の変化があります。博報堂の調査によると(※1)、2006年から2025年にかけて、テレビへの接触時間は171.8分から122.1分に減少した一方、携帯電話・スマートフォンは11.0分から161.5分に増加しています。つまり、テレビCMや新聞広告だけでは生活者に情報が届きにくくなりました。また、広告よりも第三者視点の記事や口コミを信頼する傾向もあり、SNSやWebメディアでの「共感」や「話題性」の重要性が高まっていることから、企業はPRへの投資を強化しています。

PR営業転職の難しさ:求められるスキルと選考のポイント

Q:PR営業に求められるスキルについて教えてください。

クライアントやメディアと日常的にやりとりをするため、基本的なコミュニケーション力、周囲との調整力はもちろん、クライアントの課題をヒアリングする力、切り口を考え、ストーリーを設計する能力などが求められ、フットワークの軽さと論理的に考えるスキルを兼ね備えている方がフィットします。

またプレスリリースやオウンドメディアのコンテンツなど、文章を書くシーンも多いため、なんらかのライティング経験も活かせます。さらに、学生時代、趣味・副業での取り組みでもよいので、企画やSNS関連の経験をアピールするのも手かと思います。

Q:書類選考や面接で特に見られるポイントはありますか?

企業側は即戦力性だけでなく、候補者の発想力や企画力を重視します。そのため、自分自身の経験をどのようにPR的な視点で語れるかが重要になってきます。

専門的アドバイス:企業視点と成功・失敗パターン

Q:企業側はどのような人材を求めているのでしょうか。

「私はストーリー設計力があります」とだけ言っても企業には伝わりにくいもの。まずは自分のPRに成功しなくてはいけません。学生時代のインターンや学祭実行委員会などでも良いですし、前職での新規プロジェクト推進や無形商材の企画提案経験など、具体的なエピソードを書類記載や面接でアピールするのが効果的です。

記者会見やイベント前は忙しいことも多いため、「新しいカルチャーや話題に詳しく、面白いことが好き、そんな仕事なら苦にならない」という前のめりなアプローチの方が内定が近くなるかもしれません。

Q:逆に、よくあるNGパターンを教えてください。

面接でのお見送り理由として聞くのは、「PR」という華やかな言葉だけが先行し、骨のある志望動機が言えず、自分自身の「転職ストーリー設計」ができていない、というものです。また世の中のトレンドと組み合わせてのストーリー設計がPRの肝なので、流行に敏感ではない方、アンテナをはれない方、と判断されると厳しい結果となるようです。

Q:PR会社によって違いはありますか。

大手PR会社は比較的あらゆるジャンルの商材のPRを扱うことが多いですが、ファッションや化粧品、観光、映画などに強い専門特化型のPR会社も多いですし、危機管理やコーポレート広報が得意なPR会社もあります。また、外資系企業とお付き合いする外資系のPR会社もあり、外資系PR会社は英語が堪能な方をやはり求めています。

PR営業のキャリア戦略

Q:PR営業として年収を上げていくにはどのような方法がありますか?

PR営業のプレイヤーとしての年収の平均的な金額としては400~650万円くらいといったところです。年収アップのためには若手育成やチームマネジメントの経験をつけたり、PRに加え、Web・アプリや動画を中心としたクリエイティブのディレクションや、デジタルマーケティングなどの領域までスキルや経験を拡げたり、英語力を身につけて高めの年収レンジの外資へ転職するなどの手段があります。

Q:未経験からPR営業を目指すルートについて教えてください。

先述の通り、広告マーケティング業界の他の職種に比べ未経験への門戸は比較的広く、店舗での接客販売員や全く異業種の営業からPR業界の営業職に転職されている方は多くいらっしゃいます。またメディアに知見があるということでテレビ番組制作会社やライター・記者からの転職組も多い状況です。

Q:広告営業経験者がPR営業に転職するメリットはありますか?

単なる広告メディアを扱うだけではなく、クライアントの課題や実現したいことを細かくヒアリングし、切り口を見つけ、PR戦略を展開していく、ストーリー設計をするというのが面白みです。基本的な広告業界知識やコミュニケーション力が身についている広告営業の方で、より複雑な提案を経験したい方にはPRはぴったりかと思いますし、転職もしやすいかと思います。

Q:PR会社から次のキャリアステップはどのようなものがありますか?

最も多いのは、事業会社の広報への転職ですね。PR会社でさまざまなクライアントのPRを数年手がけ、30代前後でより商品やサービスに近い上流でのPRを手がけたいと感じる方が多いようです。また、結婚や出産などのライフステージの変化を機にワーク・ライフ・バランスを整えられる環境を求めて事業会社の広報に転職し、「企業の顔」として長く活躍されている方も多いです。

実際の支援事例

Q:具体的な転職成功事例を教えてください。

事例1:接客販売職からPRエージェンシーへ

大学卒業後、お菓子の小売店で接客販売を数年されていた方に、少数精鋭のPRエージェンシーへご転職いただいたケースがありました。

この方は基本的なコミュニケーションやビジネスマナーは申し分なく、かつ実務の中で、チョコレート菓子を真夏にも売れるようにしたいと自分なりに購買につなげるストーリーを設計し、店頭POPやSNSなどで発信されたご経験をお持ちでした。上記を面接でアピールし、未経験から内定を勝ち取りました。

事例2:番組制作会社から映画やアニメのPR担当に

この方は大学卒業後、数年、テレビ番組の制作会社で、アシスタントディレクターとして残業も多い中、頑張ってきた方でした。

映像コンテンツ制作の現場から、そのコンテンツをどうヒットさせるかに興味をお持ちになり、映画やアニメのPR担当にご転職されました。映画やアニメなどの映像コンテンツへの高い興味や情熱をアピールしつつ、面接の中で「自分ならこのアニメ映画をどうPRするか」などについて、アイデアをアピールされていました。

まとめ:PR営業に挑戦すべき人とは

Q:最後に、PR営業への転職を検討している方へメッセージをお願いします。

既にあるものを提案するのではなく、クライアントの課題解決をするため、ストーリー設計をしていきたい、クライアントのPRをするだけではなく世の中に流行やムーブメントを巻き起こしたいという方にはぜひおすすめの仕事です。

ですが単にコミュニケーション力や積極性をアピールするだけでは受からない職種。ご自身のこれまでのキャリアを棚卸しし、分析し、どの経験をどんなふうに応募書類や、面接の場でアピールするかを考えることについては、マスメディアンの広告マーケティング業界専門のキャリアコンサルタントがお手伝いします。ぜひご相談ください。

※1:博報堂 メディア環境研究所「メディア接触時間」

PR営業転職の成功は、自分自身のストーリー設計から始まります。 業界専門のキャリアアドバイザーと一緒に、あなたの経験を最大限活かせる転職戦略を立てませんか?マスメディアンにお気軽にご相談ください。

まとめ

PR営業転職の成功は、自分自身のストーリー設計から始まります。 業界専門のキャリアアドバイザーと一緒に、あなたの経験を最大限活かせる転職戦略を立てませんか?マスメディアンにお気軽にご相談ください。

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長野 茜

マスメディアン
CAチーム キャリアアドバイザー
国家資格キャリアコンサルタント

ながの・あかね/メーカー勤務・広告制作会社のコピーライターを経験した後、2006年にマスメディアンへ入社。小学生の息子を育てるママキャリアコンサルタント。自身の経験を活かし、異業種から広告業界への転職や、女性のキャリア支援を得意とする。特に、時短勤務やリモート・フレックスを活用した「ママでも年収が落ちない転職」支援の成功事例多数。学生時代はソフトテニスでインターハイ・国体に出場。趣味は90年代のトレンディドラマを観ること。

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