決算書には載らない 企業価値を支える「見えない資産」の正体

後継者不足や経営者の高齢化を背景に、事業承継への関心が高まっています。しかし、重要なのは承継そのものよりも、承継後も企業が成長し続けられるかどうかです。
 
コラム第1回では、企業価値を構成する要素としての「財務価値」と「ブランド価値(非財務価値)」の関係を整理。なぜ今、企業価値の評価において信頼や評判、顧客との関係性といったブランド価値が重視されるのかを解き明かします。

企業価値は「財務価値」と「ブランド価値」で成り立つ

まずお伝えしたいのは、IR(Investor Relations)とは企業が市場へ情報を発信する活動であり、企業価値は、その情報を市場が評価した結果として形成されるということです。

企業が発信する情報は、大きく「財務情報」と「非財務情報」に分けられます。財務情報とは、売上や利益、資産、キャッシュフローなど、お金に関する数値であり、「現在どれだけ稼ぐ力があるのか」「財務基盤は健全か」を示します。一方、非財務情報とは、企業理念、人材への投資、顧客との関係性、企業文化、知的財産、ESGへの取り組みなど、数値だけでは測れない企業の将来性や信頼性に関する情報です。

図

市場は、この二つの情報を別々に見るのではなく、総合的に評価しています。現在の収益力だけでなく、「この企業は将来も成長できるのか」「安心して取引を続けられる企業なのか」という視点まで含めて企業価値を判断しています。

この市場の評価を企業価値という視点で改めて整理すると、「財務価値」と「ブランド価値」の二つに分けて考えることができます。財務価値は、利益や資産などの財務情報によって裏付けられる現在の企業の実力です。一方、ブランド価値は、「認知」「信頼」「顧客基盤」「継続性」「知的財産」「組織健全性」といった、企業が将来にわたって価値を生み出し続ける力を支える経営資産を指します。

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承継されるのれん、消えるのれん――事業承継で「見えない価値」をどう受け継ぐか
吉田由佳(ブランドビジネスコンサルタント)

日・米・欧の有名ファッションブランド(ドリス・ヴァン・ノッテン、ヘルムート・ラングなど)で企画・MD・生産管理などを経験。独立後は、ブランドビジネスコンサルタントとして、国内外の企業や大学でコンサルティングやセミナーを実施するなど、企業・組織・人を育てる活動をしている。企業支援実績は、製造業、卸売業、小売業、サービス業と幅広く500社を超える。ビジネスをブランド化、エンターテイメント化することで、罪悪感なく値上げをして、利益を得る実践的なブランドビジネスは、広く共感を得て、実績に繋がったとの喜びの声が多数寄せられている。

吉田由佳(ブランドビジネスコンサルタント)

日・米・欧の有名ファッションブランド(ドリス・ヴァン・ノッテン、ヘルムート・ラングなど)で企画・MD・生産管理などを経験。独立後は、ブランドビジネスコンサルタントとして、国内外の企業や大学でコンサルティングやセミナーを実施するなど、企業・組織・人を育てる活動をしている。企業支援実績は、製造業、卸売業、小売業、サービス業と幅広く500社を超える。ビジネスをブランド化、エンターテイメント化することで、罪悪感なく値上げをして、利益を得る実践的なブランドビジネスは、広く共感を得て、実績に繋がったとの喜びの声が多数寄せられている。

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