SNSのタイムラインを眺めていたら、買うつもりのなかった商品が目に留まり、そのまま買ってしまった…。皆さんには、そんな経験はないでしょうか。私たちは、こうした予定外の出会いから生まれる購買を「偶発購買」と呼び、調査を重ねてきました。宣伝会議から刊行された、私たちの著書『偶発購買デザイン「SNSで衝動買い」は設計できる』でも各種自主調査も実施。これまでの調査では、即席麺や冷凍食品など、低単価で気軽に試せる日用消費財ほど偶発購買が起きやすいことがわかっています。それでは、自動車や住宅のような高額で、普通ならじっくり比較検討する商品でも、人は「偶然」買うのでしょうか。そこで今回は2025年12月に実施した、15カテゴリー・30ブランドを対象に調査の結果のサマリーについてご紹介したいと思います。
さらにZ世代に絞って分析してみると、少し意外な買い方が見えてきます。
家もクルマも「4人に1人」。Z世代は高額商材でも偶発購買する
即席麺なら、「買うつもりはなかったけれど、SNSのタイムラインに流れてきた新商品の投稿を見て、おいしそうだったので買ってしまった」は想像しやすい。でも、それがクルマや家などの高額商品だったらどうでしょう?
「今日は家を買うつもりじゃなかったんですけど、なんとなく買っちゃいました」
さすがに、そんな人はいなさそうです。実際、今回の調査でも、高額商材はやはり「計画購買」が基本でした。自動車では81.9%、戸建て住宅では83.4%、オンライン旅行サイト・航空券では86.0%が計画購買。8割以上が、事前に調べたり比較したりしたうえで購入しています。
ここまでは想像通りです。ところが、Z世代に絞ってみると、少し景色が変わります。
自動車の偶発購買は24.7%、戸建て住宅は23.6%、オンライン旅行サイト・航空券でも18.9%。つまり、クルマも家も、Z世代のおよそ4人に1人が偶発購買。旅行・航空券でも、およそ5人に1人です。全体と比べても、自動車で6.6ポイント、住宅で7.0ポイント、旅行・航空券で4.9ポイント高くなっています。
もちろん、「Z世代は家を衝動買いする」という話ではありません。面白いのは、高額商材でも「欲しい→調べる→比較する→買う」以外の買い方が、思っていた以上に存在することです。
