「従業員に申し訳なかった」 それでも売上7割を手放した神戸屋、ロゴからユニフォームまで刷新 老舗パン屋が挑む大規模リブランディングの舞台裏

神戸屋は8月20日、「神戸屋キッチン アトレ恵比寿店」(東京・渋谷)をリニューアルオープンする。新コーポレートロゴや店舗デザイン、ユニフォームなどを一新し、新たなブランドステートメントのもと、100年超のブランドを大きく刷新する。

背景にあるのが、2023年に実施した大規模な事業構造の転換だ。当時売上高の約70%を占めていた包装パン事業を譲渡し、冷凍生地事業と直営事業に経営資源を集中。神戸屋はこれを「第二の創業」と位置付けてきた。

桐山晋社長が、今回のリブランディングで何を変えるのか、その背景にある課題、さらに売上高の大部分を占める事業を手放した決断と、その後に直面した困難について語った。

写真 神戸屋 パン

ロゴからユニフォームまで刷新 「Be Playful」を形に

今回のブランド改革では、「商品・品質」で差別化する時代から、「世界観・体験」で共感を生む時代への変化を意識。デザインを、単なる装飾ではなく「思想・理念を可視化するもの」と位置付けた。

新たなブランドステートメントでは「食の、新しいあたりまえをつくっていく」という姿勢を示し、その核となる言葉として「Be Playful」を掲げた。

写真 神戸屋

桐山社長は「パンづくりへの誠実さをベースに持ちながら、そこに自由な発想やユーモアを掛け合わせる。パン屋が本気で遊び心を持って、お客さまに驚きやワクワクを届ける。それが私たちが目指す新しい姿」と強調した。

その考えを象徴するのが新コーポレートロゴだ。

写真 神戸屋 新ロゴ

新コーポレートロゴ(右)

神戸屋では創業時から「鷲」をブランドの象徴としてきた。大空を羽ばたく「鳥の王様」である鷲に、未来を切り拓く開拓者精神と、高い品質を提供する決意を込めてきたという。

新たなシンボルマークでは、この「鷲」に「炎」を組み合わせた。炎は「情熱的な心」と「パンを焼く火」を象徴する。

ロゴタイプには伝統の「鷲」モチーフを継承したオリジナルフォントを採用。ブランドカラーは、「麦」と「光り輝く未来」を象徴するライトブラウンとした。

新たなブランドを最初に体験できる場所が、8月20日にリニューアルオープンする神戸屋キッチン アトレ恵比寿店だ。

写真 神戸屋 アトレ恵比寿店の外観

「神戸屋キッチン アトレ恵比寿店」

店舗ロゴも、「麦の穂」と「鷲」を組み合わせた新デザインへ変更。恵比寿店から順次展開する。

空間デザインのテーマは「歴史の継承と深化」。パンづくりで使う麺棒にも用いられるチェリー材や特注タイルなどを採用し、「手作りの風合い」「素材の良さ」を表現した。

写真 神戸屋 新ユニフォーム

新ユニフォーム

ユニフォームも大きく変える。神戸屋では1975年以降、時代に合わせてユニフォームを変えてきた。1987年からは「パンが映える『青』」をメインカラーとして採用し、青いギンガムチェックは神戸屋キッチンを象徴する存在となっていた。

桐山社長は、約40年続いた青を基調とするユニフォームを変えることについて「さまざまな方面から、さまざまな意見もあった。勇気は必要だった」と振り返る。

新ユニフォームは「アイボリー」を基調に、これまでの歴史を象徴する「青」をスカーフなどのアクセントとして残した。性別や年齢にかかわらず動きやすく、従業員一人ひとりが「Be Playful」を体現できることも意識した。

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