電通グループ、電通総研を伊藤忠グループとの合弁会社化へ AI・リテールメディア事業を強化

電通グループは8月31日、傘下の電通総研を伊藤忠商事を中心に組成する合同会社VICとの合弁会社とする方針を発表した。伊藤忠商事グループ・電通グループ・電通総研の3者が同日に都内で合同記者会見を開き、戦略的提携の全体像を説明した。

VICは電通総研の普通株式に対する公開買付け(TOB)を実施する予定で、最大2152億円(出資比率38.2%)の出資を行う。TOBが成立した場合、電通総研株式は東京証券取引所の上場廃止基準に従い非公開化される見込みだ。電通グループは引き続き電通総研の筆頭株主として61.8%の出資比率を維持し、連結子会社として位置づける。本公開買付けの成立は2026年12月上旬頃、株式併合を経た合弁会社化は2027年3月頃を予定している。

各社の出資比率について(伊藤忠商事の資料より)

ITとリテールメディアの2領域で業務提携

今回の戦略的提携の柱は、ITサービス領域とリテールメディア・データ領域の2つである。

ITサービス領域では、電通総研と伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)が業務提携契約を締結する予定だ。電通総研が強みとする製造・金融領域向けのコンサルティングやアプリケーション開発と、CTCが得意とする通信・流通領域向けのITインフラ構築・運用保守を組み合わせ、顧客基盤のクロスセルを推進する。会見でCTCの新宮達史社長は、「両社はやっている業務内容がだいぶ違った分野になっている」と述べ、顧客基盤の重複が少ない点を強調した。

業務提携の具体的な項目としては、(1)双方の強みを活かしたクロスセルの推進、(2)フィジカルAI・サイバーセキュリティ領域等における共同プロダクト開発、(3)海外事業の連携促進、(4)協業推進体制の整備と人材交流の実施──の4点が示された。

伊藤忠商事の野田俊介専務執行役員は、「5年後に売上で500億円以上の新たな取引を生み出すことは十分可能」との見通しを示した。内訳としてはクロスセルで250億円レベル、伊藤忠デジタル・バリューチェーン内での新たな企画による残余分を見込んでいるという。

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