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米国マーケターが目指す先は、パーソナライゼーションの実現―「Adobe Digital Marketing Summit2014」レポート(後編)

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Adobe(以下、アドビ)は米国・ユタ州ソルトレイクシティにて3月25日~27日の3日間にわたり、グローバルなデジタルマーケティングのカンファレンスである「Adobe Digital Marketing Summit2014」を開催した。
世界33カ国、約1100の企業から約5500名が参加した本カンファレンスから見えてきた、米国を中心とするデジタルマーケティングの潮流とは。

【前回の記事「Data Democratizationがマーケティングを変える ―「Adobe Digital Marketing Summit2014」レポート(前篇)

カスタマーを中心に置き、パーソナライゼーションを目指す。その過程で必要になるのが、カスタマージャーニーの把握だ。複数のチャネルで接触がある、複雑化したジャーニーを読み解く上では、やはりカスタマーのプロファイルにデータの統合が必要になる。そのプロファイルをもとに企業からのメッセージ、コンテンツの配信を個々のカスタマー別に最適化していく。

カスタマーのブランドに対する感情を理解する

「パーソナライゼーションは今後のマーケティングの鍵を握る」と話していたのは、LenovoのAshish Braganza氏(Director of Global Business Intelligence,Lenovo)だ。

「以前は個々の接点別にカスタマーの情報を蓄積していたので、たとえばコールセンターで電話を受けても、そのカスタマーがなぜ電話をかけてきたのかわからなかった。今は、データを統合したことで、『ネットで検索して調べたけれど、それでも不明点が解決できなかったので、電話をしてきた』など、その瞬間、瞬間で求められていることを把握できるようになっている」と話す。

現在、同社ではオンラインの接点から得られるデータにソーシャルメディア、コールセンターなど60以上のソースからデータを集めて分析をしているが「全てはカスタマーのブランドに対する感情を理解するため」という。処理するデータ量は250テラバイト以上あるが「他の企業に比べれば決して多いとは言えない」Ashish Braganza氏は話していた。

また「最終的にはパーソナライゼーションを実現させたいが現時点では、セグメント別のアプローチに留まっている。具体的にはパーチェスファネルの各段階ごとでクラスタリングし、その段階別に顧客に対するアプローチを変えている段階」と説明した。

米国企業も、脱・サイロは実現していない

「リアルタイム」に「パーソナライゼーション」…と米国のマーケターはやりたいことが明確にはなっていたが、現在はその実現に向けた道の途上。前述の「SEARS」のSai Koppaka氏(DVP, Customer Analytics , Sears Holdings Corporation)も「Cusutomer Focusedの重要性について理解をしてくれているのは、社内の5%程度だと思う。9割以上の人たちが、各部門内で個別最適の活動をしているのが現状だ。それでも、テクノロジーが可能にすることを形にし、実績を見せることで少しずつ理解を広げていくしかないと考えている」と話していた。

小さいところからでも、まずは始めてみる。AudiのJeff Titus氏(GM, Digital Technology Solutions and Strategy , Audi of America)は、登壇したパネルディスカッションの聴講者からの「何から始めればいいのか?」との問いに対し、「まずはWEBサイトの解析から始めて、徐々にデータを入手するチャネルを増やしていけばいい」と答えていた。

「Adobe Marketing Cloud」を導入している企業でも、その窓口となるのがマーケティング活動全体を統括するCMOだけでなく、特定のデジタルチャネルを所有する部門の長であるケースの2パターンあるという。

次ページ 「Branding とDemand Generation」に続く

「Adobe Digital Marketing Summit2014」レポート
(前編)Data Democratizationがマーケティングを変える
(後編)米国マーケターが目指す先は、パーソナライゼーションの実現