先月13日に閉幕したFIFAワールドカップ ブラジル大会。連日繰り広げられた熱戦の数々もさることながら、期間中に展開された関連広告・キャンペーンにも見応えのあるものが数多く見られた。
アディダス、コカ・コーラ、エミレーツ、マクドナルドといった公式スポンサー各社による、「ワールドカップ」の名称や公式ロゴマークを使った大々的なマス広告が目を引いたのは言うまでもないが、ここでは近年成長著しいオンライン動画に注目しながら、世界中が湧いたスポーツの一大祭典を振り返る。
Web上ではナイキがアディダスを圧倒
動画に特化したコンテンツマーケティング支援会社・Visible Measureの最新の調査によると、W杯ブラジル大会に関連したブランド動画の総再生回数は6億7160万回にのぼり、これまで動画コンテンツ市場として最大規模を誇っていた「スーパーボウル」(NFLの年間優勝決定戦)2014年大会の5億1620万回を大きく上回った。
ブランド別に見ると、再生回数が最も多かったのは、8つのキャンペーンで計2億4000万回超を記録したナイキ。続く2位はサムスンで1億2400万回、3位はアディダスで9000万回、4位は現代・起亜自動車で2800万回、5位はビーツバイドレの2500万回という結果で、公式スポンサーではないナイキやサムスンが公式スポンサーのアディダスや現代・起亜自動車を押さえ、Web上で圧倒的な存在感を示した。
ナイキの動画の中でも特に再生回数が多かったのは、「Risk Everything」(1億2000万回以上)、「The Last Game」(9700万回以上)で、この2つが、W杯ブラジル大会に関連したブランド動画の再生回数ランキング上位が2位を独占した。次いでサムスンの「Galaxy 11: The Training」が7400万回で3位、アディダスの「The Dream」が4600万回で4位、サムスンの「Galaxy 11」が3800万回で5位と続いた。
ナイキ「The Last Game」(Wieden + Kennedy)
ちなみに、W杯ブラジル大会関連のブランド動画に最も多く起用された有名人はリオネル・メッシで計11件。一方、最も多くの動画再生回数を稼いだスター選手は、ナイキのほかサムスン、エミレーツなどの動画に起用されたクリスティアーノ・ロナウドだったという(Visible Measure社調べ)。
「The Last Game」は、ナイキがスポンサー契約を結んでいる選手たちが登場するアニメーションムービー。“リスクのある(失敗する可能性が低くない)”プレーをする人間の選手に代わって、科学データに基づくミスのないプレーをするクローンが試合に出場するようになった未来の世界が舞台となっている。
面白さも美しさも失われたゲームに失望してファンが離れていく中、クリスティアーノ・ロナウドやネイマール Jr.、ズラタン・イムラヒモビッチらスター選手たちはピッチに戻ることを決意。クローンに決戦を挑み、それぞれの持ち味を生かしたプレーで見事勝利する。一連のストーリーを通じて“リスクを恐れるな”というブランドメッセージを伝えた。
サムスン「Galaxy 11: The Training」(Cheil Worldwide)
アディダス「The Dream」(TBWA\CHIAT\DAY)
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