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ヤングカンヌとオザワくん by TBWA\HAKUHODO 梅田哲矢

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2015年6月の「カンヌライオンズ」開催まで約4カ月。今年も28歳以下に限定した「ヤングライオンズ・コンペティション」、通称「ヤングカンヌ」が開催されます。PR部門では国内選考の受付がスタートしました(締切:3月18日)。

PR部門は昨年に新設され、日本代表チーム(梅田哲矢さん&岡田雄一郎さん)が見事ゴールドを獲得しました。そこで今年のエントリーを控えた今、2014年の覇者・梅田哲矢さんに2回シリーズでヤングカンヌPR部門にチャレンジする面白さを語り尽くしていただきます。

この時期になると、広告業界の若手はソワソワしはじめます。

「お前出んの?」
「んー出ないかなー」(←こういうヤツは、たいてい出る)

こんな会話がいたるところから聞こえてきます。
そう、ヤングカンヌの募集がはじまる時期です。

ご存知の方も多いと思いますが、ヤングカンヌというのは、カンヌクリエイティブフェスティバル内で実施されるヤング専用の特別なコンテストで、世界中のU-28アドマンたちが24時間という制限時間内にアイデアを競い合います。今はバリバリのCDの方々も懐かしい響きなのではないでしょうか。

ヤングカンヌとは?

■Young Lions Competition (ヤングライオンズコンペティション※通称:ヤングカンヌコンペティション)とは、28歳以下の広告業界の若手2名1チームで参加し、現地カンヌで与えられた課題に対し、定められた時間内に各国の代表チームにより提出された作品を、カンヌライオンズ本戦の審査員が審査し、GOLD, SILVER, BRONZEを決定するものです。ヤングライオンズコンペディション公式サイトより http://yclc.net/aboutyclc/


冒頭の会話のように、ヤングカンヌにエントリーするというのは若手あるあるなのですが、そんなあるあるに漏れることなく、僕も何度かのエントリーを経て、昨年ヤングカンヌに出場させていただく機会を得ました。

自己紹介が遅くなりましたが、TBWA\HAKUHODOの梅田と申します。

日ごろは、「広告」をより広く捉えて、ニュースやサービスをつくることを意識して取り組んでおり、その結果、前職での話になりますが、昨年のヤングカンヌPR部門にて、金賞という結果を残すことができました。

今年もヤングカンヌの募集が始まったということで、経験者として、
出場した経緯や現地での体験を、2回にわたり書かせていただくことになりました。

正直、どこまで役に立つか分かりませんし、まとまりのない話になっていますが、この業界で努力している、クリエイティブだけでなく営業やメディアを担当する若手も含め、あらゆる若手のみなさんにとって参考になればとても嬉しく思います。

カンヌに出たいと思ったキッカケ

「その参考書買わなくていいの?」
「あーもう全部覚えちゃったから大丈夫。」

高校時代、帰り道に何気なく立ち寄った本屋の参考書コーナーで同学年のオザワくん(仮名)が立ち読みしていました。当然購入する本を吟味していると思っていたのですが、そのまま帰ろうとするので、思わず声をかけました。

ネタのような話ですが、彼は立ち読みするだけで全部暗記しているとさらっと答えました。参考書を買いに来ているということで親近感を感じた次の瞬間、死にたくなりました。

僕はこの体験をきっかけに、完全に落ちこぼれの一途をたどってしまうのですが、この道はオザワくんに任せた方がよさそうだということはわかりました。

正しいことは全部オザワくんに任せて、
僕はあほなことをやろう。
これならオザワくんに勝てるはずだ!
ありがとう!オザワくん!
正しい解き方はオザワくんが頑張ってくれ!
なんてやりとりはもちろんなく、独り言ですが…
なんせ本屋以来トラウマで一度も話していないので。
そんなオザワシンドロームを抱えたまま大人になってしまいました。

オザワくんはノーベル賞なのか、政治家なのか、ともかくすごい賞を獲るはずなので、僕もそれに匹敵するような賞は獲らなければ、まずい。

そこで出会ったのがカンヌでした。
(面白い解法の世界最大の祭典として)

カンヌを目指しはじめたのも、
カンヌにしつこくエントリーしたのも、
カンヌ現地で最後まで粘れたのも、
全部、オザワくん。

そして、この話はみなさんにとってはホントにどうでもいいんですが、(どうでもいいと思っていただくためにボリューム割きました。すみません。)こういう他人にはどうでもいい自分だけの歴史、コンプレックスが最後の最後の粘りにつながるので、掘り起こしてみて、出発地点にしてもよいのではないかと思いました。

次ページ 「PR部門を選んだワケ」へ続く