究極のユーザー目線 「欲しい!」思いを具現化できる社内体制にカギ――スノーピーク

企業を変えた「売れ続ける仕組み」

成熟化したと言われる環境下でも、新たな顧客を創造し、市場を創る経営トップがいます。そして、そこには瞬間的に売れるだけでなく、売れ続けるための全社を挙げた取り組み、さらには仕組み化があります。商品戦略、価格戦略、流通・販路戦略、プロモーション戦略に着目し、売れるためのアイデア、仕組みを解説・紹介していきます。


スノーピークのここがポイント!

  • スノーピークのプロダクトデザイナーは、高いスキルを持つと同時に、無類のアウトドア好き。一製品一担当制で、製品化までの全工程に携わり、自身が本当に「欲しい」と思ったアイテムを具現化している。
  • メーカーブランドでありコミュニティブランド。オフィス併設のキャンプ場を訪れるユーザーや、18 年間毎年開催しているイベント「The Snow Peak Way」に参加するユーザーなどとのコミュニケーションを大切にしている。

自分自身が欲しいものを製品化する力

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SUVやミニバンにテントなどを積み込み、気軽に自然を楽しむことができるオートキャンプ。日本において、オートキャンプをレジャーとして定着させる一翼を担ったのが、新潟県三条市に本社(HEADQUARTERS/ヘッドクオーターズ)を置くスノーピークだ。

同社は、快適基準寸法という考え方をベースにシステム化された、リビング、キッチン、ドームテントを効率よくレイアウトするSLS(スノーピークレイアウトシステム)を1988年に提唱。「ドーム+タープ+SLS」という現在のオートキャンプの原型を確立した。

スノーピークユーザーの2人に1人が使っている大人気商品「焚火台」。

スノーピークユーザーの2人に1人が使っている大人気商品「焚火台」。


あらゆる地面に確実かつ安全にテント・タープを固定するペグ。

あらゆる地面に確実かつ安全にテント・タープを固定するペグ。


シェルターの中で火を囲み、肉を焼ける画期的な商品。

シェルターの中で火を囲み、肉を焼ける画期的な商品。

こうしたキャンプスタイルは、日本はもとより海外にも存在しなかった、スノーピーク発の新しいスタイル。現在その市場規模は、日本・韓国・台湾の3カ国だけでも1100億円を超える。

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