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“エンターテイメント”なカンヌライオンズ2016

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ブライアンイーノ氏とのショット!

今年のカンヌライオンズは、ライオンズエンターテイメントの新設の影響か否か、エンターテイメント性の高いセッションやザ・有名人が目白押し。

ディビッド・カッパーフィールド、アナ・ウィンタース、ウィル・スミス、グィネス・パルトロウ、ブライアン・イーノ、オリバー・ストーンにスパイク・ジョーンズ、などなど目玉級のスピーカーがこれでもかと畳み掛けます。。

ミニイリュージョンを披露したディビッドカッパーフィールド氏

という事で今年の新設のライオンズエンターテイメントについて、お話したいと思います。

四年前に設立されたブランデッドコンテンツ&エンターテイメント部門に音楽に焦点をあてたエンターテイメント・ライオンズ・フォー・ミュージック部門をプラスしてカンヌライオンズと別立てでできたフェスティバルがライオンズエンターテイメントです。

ブランデッドコンテンツ&エンターテイメントでは、過去2年グランプリ作品が選出されていないという問題もあり、コンテンツを再評価するために再定義し、新設されました。

エンターテインメント・ライオンズの審査員長を務めたCAA社チーフクリエイティブオフィサー、ジェイ・グッドマン氏 は「今回は『既存のエンターテイメントから離れるコンテンツ制作』から、『エンターテイメントコンテンツ自体を制作』するという新しい流れを象徴するライオンズになるだろう。」と事前に答えていたように今年グランプリを獲得したTHE DISPLACED(VASE.WORKS Loa Angels)は、ニューヨーク・タイムズが新聞の読者向けに、段ボール製VRゴーグルこと「Google Cardboard」をプレゼントしたキャンペーン。

Google Cardboardは自分のiPhoneやAndroidスマートフォンを挿入することでVR映像を楽しめるもの。このキャンペーンでショートフィルムを配信するプラットフォーム「NYT VR」を発表。これがエンターテイメントライオンズではプランデッドコンテンツとして評価された形です。配信された最初のフィルムは「The Displaced」という、スーダンやウクライナ、シリア地域の子供の難民を題材にしたものでした。

メディアを巻き込むことでのメディアインパクトもさながら、ニュースは知るもの、聞くもの、見るものから近い将来VRで”体験”出来るものになるかもという期待も感じさせました。

今年初部門のエンターテイメントフォーミュージックでは、2つのグランプリを選出。審査委員長を務めたGrayニューヨークのEVP/ミュージックディレクターのジョシュ・ラビノビッツ氏は「音楽はコンテンツ制作に欠かせないものであり、その音楽を使った美しいコンテンツであること。パワフルなストーリーを支える音楽とのエンゲージメント、カンバセーションがあるかなどを評価基準に作品を審査した」 と語りました。

全く特色の異なる1つ目のグランプリはビヨンセのミュージックビデオ「FORMATION」。是非ウェブでチェックを。
ミュージックビデオはコストをかける分、有利かと思われがちですが、「素晴らしいビデオだからって、この部門で評価が高いとは限らない。現にジャスティン・ビーバーのすごいビデオはショートリストだったからね」とジョークを飛ばしてました。

2つ目のグランプリは 、ドイツのスーパーマーケット EDEKA の「Home for Christmas 」(Jung von Matt Hanburg)。毎年、タッチーなアプローチでクリスマスキャンペーンを実施するジョン・ルイスと逆行し、実際には一人寂しくクリスマスを過ごす老人が多い、、その悲しい事実を伝えたビデオ。

子供達は毎回何かしらの言い訳をしてクリスマスに来てくれない。「今年も行けない」そう言っていたら、突然父親の訃報を受け取り、子供達は集まることに。

そこでのサプライズもお見逃しなく。

さて、カンヌライオンズも残すところあと1日。

今年、ダイレクト部門で審査員を務めたADK台湾のCCOリチャード・ユウによると審査委員長であったマーク・タッセル氏より「今年はソーシャルクッドではなく、よりビジネスに影響を及ぼしたアイデアを評価しよう」という指針が出されたとのこと。

他の部門の審査委員長からも同じようなメッセージがあったようです。

ここ数年続いたソーシャルクッドは、昨年乱立状態で、アイデアファーストではなく、ソーシャルイシューを探してからアイデアを当てはめたのではと思えてしまう受賞が多く、このあとカンヌライオンズは何処へ行ってしまうのだろうと思っていましたが、良い意味で原点回帰したのかもしれません。

ただアイデアのビジネスのインパクトを重視したとき、アジア圏の作品群は、グローバルブランドと比べてインパクトが小さく感じてしまい、余り結果が出なかったのかも知れないとも、リチャードは審査の印象を言っていました。

明日は昨年個人的に一番好きだったフィルム部門の発表です。

今年日本の作品もかなりショートリストに。期待です。

末永朗子
クリエイティブ キュレーター
ADK

 


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