起業資金は、バイトで稼いだ200万円
千布真也氏
AMD プロデューサー/代表取締役。写真は金沢市内にある尾山神社にて撮影。
大手広告会社、制作会社での仕事の経験はゼロ。経験もなければ人脈もない。半年間の日雇いバイトで稼いだ200万円に、友人たちに頭を下げて借りた200万円を加えた400万円を元手に起業。たった一人で始めた制作会社、AMD(旧・エーミライトデザイン)は10年目を迎え、社員数40名を誇る規模にまで成長を遂げた。
スタイラやパークコーポレ―ションなど、ビューティ案件を中心とした女性向け企業のブランディングを中心としたコミュニケーション設計と制作・クリエイティブを手掛ける同社を率いるのが、千布真也氏だ。
「10代後半は自分に何ができるのか、そして自分は何がやりたいのかがわからず、答を探して放浪していました。それがニューヨーク滞在中にアイデア、クリエイションで生計を立てている人たちと出会い、自分もこういう職を仕事にしていきたいと心を決めました」と千布氏。当時21歳。さっそく日本に帰国し、日雇いバイトで200万円を稼ぎ、さらに友人たちから200万円を借り、最初に始めたのは飲食店。千布氏はカフェバーを開業した。
わずか10坪ほどのスペースで開業したカフェバー。この店の経営を通じて、商売の基本を知る経験となった。
カフェバーでは人が集まり、楽しんでもらうための数々のイベントを企画した。人が喜んでくれる姿を見るのも好きだったし、またどうしたら人が喜んでお金を払ってもらえるのかを知り、商売の基本も身に着けた。10坪ほどのカフェバーは約1年で軌道に乗り、そこでの経験を基に念願だったデザイン制作の仕事をスタートさせる。それがAMDだ。