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経験も人脈もゼロ。たった一人で立ち上げた会社が、10年で100社の仕事を獲得できた理由。──インディペンデントなクリエイティブ集団 AMD

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商業のフィールドで培った知見を社会課題解決に

すでに生活の拠点も金沢に置いている千布氏。金沢では10月13日から5カ月間開催される、地元行政が主催の「金沢21世紀工芸祭」に広報担当として関わる。「金沢に来て、工芸の機能的な美に触れ、自分自身がたくさんのインスピレーションを受けた。工芸祭を通じて金沢から日本の工芸を世界に発信し、また世界の工芸を日本で紹介したい。『金沢を“工芸の港”に』を目指し、地元の皆さんと奮闘している」と千布氏は話す。

「最終的に僕たちAMDは、商業という現在のフィールドから一歩外に出て、社会の課題を解決するようなクリエイティブワークをしていきたい。商業のフィールドで培ってきたコミュニケーションの仕組を設計するクリエイティビティやロジックは、例えば政治や社会インフラの進化や改革にも役立てるはず。いきなり、『社会課題を解決させてください』と言っても、相手にされることはないので、まずは自分たちにできることを手弁当でもやっていく。その結果として、自分たちが目指す新しいフィールドを開拓していきたい」と千布氏は考えている。

今、特に関心があるのが、金沢に拠点を構えたことに表れているように日本社会の課題、地域の活性化だ。「自らリスクも取らずに、自分たちのやりたいことを理解してもらえるとは思っていない。その決意の表れが金沢での支社設立」と話す。

クリエイティブ、クリエイターが地域のためにできることは何なのか。2015年に北陸に支社を構えた宣伝会議のマーケティング研究室も、千布氏の投げかけに共鳴し、互いにタッグを組みクリエイティブの社会における活用可能性を考える研究会「クリエイティブ・ワークスタイル・ハック・プロジェクト」も2016年9月よりスタートの予定である。(*詳細は9月1日に公開の予定)

ブランディングを軸にした、AMDのサービス領域

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抽象的で見えにくいブランドの世界観に背骨(ビジョンやコンセプト、情報設計)を通すことで、ブランドの価値を可視化・最大化し、さらに高めるAMDのアプローチ。ブランドアイデンティティを形成し、確立するための最良の表現手法・クリエイティブをデザイン面だけではなく、コミュニケーション設計、プロモーションアイデア等、多角的な視点を持って提案する。
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金沢にあるオフィスにて。「ここまで組織が大きくなる中で、共に働く仲間の重要性を痛感するできことを多く経験しました」と千布氏。そんな経験から、クリエイターのワークスタイル、働く環境づくりに強い関心を抱く。そんな関心も今回の「クリエイティブ・ワークスタイル・ハック・プロジェクト」につながっている。
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現在、千布氏が実行委として携わる「金沢21世紀工芸祭」。
「実行委には、金沢を盛り上げようという熱意にあふれた人が集まっています。思いのあまり、時にはぶつかり合うこともあるのですが、本音で話すことで良い関係を築けました。何もないところからのスタートでしたが、いつしかたくさんの人が協力してくれるようになって。本当に心強いです」。ゼロからのクリエイトを重ねた経験が、あらゆるところで生きている。