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メディアが果たすべき役割は重い — トランプ新大統領、広報・情報・メディアへの影響⑨(古田大輔氏)

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1月21日(日本時間)、ドナルド・トランプ氏が第45代米国大統領に就任した。就任前から政策の方向性のみならず、メディアとの向き合い方、自らの情報発信にも注目を集めてきたトランプ氏の大統領就任を広報・情報戦略、企業のリスクマネジメント、メディアの専門家はどう見ているのか?日本企業の広報・コミュニケーション戦略、またメディアへのという観点から予測する。

古田 大輔 氏
BuzzFeed Japan 創刊編集長

1977年生まれ。福岡県出身。早稲田大学政治経済学部卒業。朝日新聞社に入社し、京都総局、豊岡支局、社会部、アジア総局(バンコク)、シンガポール支局長、デジタル版の編集などを経て、2015年10月にBuzzFeed Japanによる新メディアの創刊編集長に就任。

 

メディアが果たすべき役割が問われる

大統領に就任後もトランプ氏のスタイルは変わらなかった。「アメリカ第一」の政策だけでなく、メディアを「嘘ばかり」と攻撃する発信手法も。それがいきなり明確に出たのが、就任式に関するメディアとのやり取りだ。

就任式の観衆数はオバマ氏のときに比べて大きく減ったと報じられた。しかし、トランプ政権は報道は間違っていると批判し、報道官は「過去最多だった」と言い切った。

映像や公共交通機関の利用者数から、観衆の少なさは裏打ちされている。翌日のテレビ番組に出演した大統領顧問にキャスターが突っこんだ。「なぜ、嘘をついたんですか」。大統領顧問はこう答えた。「嘘ではなく、オルタナティブ・ファクト(もう一つの事実)です」。「それはつまり嘘だ!」とキャスターは叫んだ。

政府の発信する情報を一つ一つ厳しく吟味する。そういう態度が今まで以上に必要とされる時代に突入した。メディアが果たすべき役割は重い。