本誌調査では「著作権とクリッピングに関する、知識や判断に自信がある」と回答したのは4割。エレクトロニック・ライブラリー(ELNET)では企業向けクリッピングサービスの提供を通じて、「広報活動の成果である報道記事を活用するには、著作権への理解が必要」と説明する。
スマートフォンやSNSの普及などに見られる情報発信技術の向上は、世の中を便利にした半面、誰でも簡単に発信者となりうる状況をつくり出した。ウェブ上では簡単に情報をコピーしたり発信したりできるようになり、近年は「偽(フェイク)ニュース」などと言われる情報が広く拡散してしまうという問題も明らかになってきている。
そのような中で、企業の広報活動においても著作権への意識を高く持つことが求められている。企業としてニュースや写真素材などを扱うにあたり、著作権を侵害したという事態になれば企業の信頼や評判を毀損する可能性もある。そのため、近年はコンプライアンスの専門部署やチームを創設し広報部との連携を強めるなど、対策を講じる企業も多くみられる。
企業に求められる著作権処理
「ここ数年で広報担当者の著作権に対する知識は向上したように感じますが、社内には各部署で運用しているSNSアカウントの管理者や、自社商品の掲載記事を営業活動に活用したい社員などもいる。広報以外にも、知識を身につけるべき人は多く存在します」と語るのは、約1300社の企業や官公庁にクリッピングサービスを提供しているエレクトロニック・ライブラリー(ELNET)の山下敏永副社長。本特集でも紹介した通り、「自社商品が紹介された新聞記事の本文をサイトに掲載する」