インテージは3月9日、東京・港区にてセミナー「広告主のためのCMクリエイティブ最前線セミナー」(協力:宣伝会議)を開催した。デジタル領域の影響力が増大し、生活者の情報接触環境が変化するなか、従来のクリエイティブのままでは生活者からの反応を得ることが難しくなっている。そこで最適なCMクリエイティブとは何か、オークローンマーケティング(ショップジャパン)、モンデリーズ・ジャパン、インテージの3社による事例講演とパネルディスカッションが行われた。
「ワンダーコア」のヒットにつなげたCM戦略
第1部:
企業講演
「お客様に『WOW!』を伝える ~お客様と外部環境の理解から生まれるクリエイティブ~」
講演者:
オークローンマーケティング ショップジャパン シニアダイレクター 浅野茂樹氏
第1部は、オークローンマーケティングの浅野氏が登壇。大ヒットしたフィットネスマシン「ワンダーコア」、「ワンダーコア スマート」のケーススタディを中心に、同社のCMクリエイティブについて講演した。
同社は1993年からテレビショッピング事業を開始した。浅野氏によると「29分の番組内で、商品の魅力を繰り返し紹介する手法をとってきた。当社の調査では、通販番組を7回ほど視聴したお客様からご注文をいただく傾向にある。これに基づき、放送枠の選定とお客様の心を動かすようなクリエイティブの制作を実行してきた」という。
しかしスマートフォンの普及とともに生活者の行動パターンが複雑化し、これまでの仮説が当てはまらなくなってきた。
「フィットネスマシンの本来のお客様はF2・M2層ですが、発売当初のワンダーコアのお客様は60歳以上が中心でした」
この結果から同社では、お客様と外部環境の理解に取り組んだ。まず「ワンダーコア」を購入したお客様に、ご購入の目的や魅力に感じた商品特長などをヒアリングした。その結果、「体を倒すだけで腹筋」という言葉が浮かび上がってきた。同時に市場調査を実施し、通販番組を視聴しないお客様に向けたアクションが必要だと分かったため、15秒・30秒のテレビCMを放映し、「ワンダーコア」の認知向上と購入促進を目指した。

