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テレビCMの効果を高めるクリエイティブとは?ショップジャパンとモンデリーズ、インテージが講演

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激変の時代での、最適な広告クリエイティブとは?

第3部:パネルディスカッション「変化する中で最適なクリエイティブを考える」

【講演者】
オークローンマーケティング ショップジャパン マーケティング本部長 浅野 茂樹氏
モンデリーズ・ジャパン 取締役 マーケティング本部長 川鍋 洋治氏

【モデレーター】
インテージ MCA事業本部 (Media,Communications&Analytics) MCA事業戦略エグゼクティブマネージャー 岡野雅一氏、ビジネスプラットフォーム本部 開発室 室長 チーフアナリスト 山本直人氏

第3部ではオークローンマーケティングの浅野氏、モンデリーズ・ジャパンの川鍋氏、インテージの岡野氏、山本氏によるパネルディスカッションが行われた。

インテージ ビジネスプラットフォーム本部 開発室 室長 チーフアナリスト 山本直人氏

冒頭で山本氏が、インテージが行っている表情解析について紹介。視聴者が広告を見ているときの顔の筋肉から、どのような感情を抱いているのかが分かるという。

「表情を解析することで、『楽しんでいる』『理解しているか』『説得されている』という3つの指標をみていく。CMのシーンごとの波線を見ることで、視聴者の自然な反応が分かる」

たとえばワンダーコアのCMでは、出演者の宇梶さんが銭湯で倒れこむシーンで男性は笑顔を維持しているが、女性はぐっと落ちていることがわかり、男女間で銭湯シーンの受け止め方が違うことが分かった。

インテージ MCA事業本部 (Media,Communications&Analytics) MCA事業戦略エグゼクティブマネージャー 岡野雅一氏

「インテージでは表情解析やニューロマーケティングなど、視聴者がテレビ広告にどんな反応をするのかデータを蓄積している。そこにある関係性や法則を発見することで、コンテンツや広告の最適化につながる」

続くパネルディスカッションでは、モデレーターを岡野氏が務め、浅野氏、川鍋氏が考え方を語った。テーマごとに主要なコメントを紹介していく。

クロスメディアにおける「クリエイティブのあり方」

左)オークローンマーケティング ショップジャパン シニアダイレクター 浅野茂樹氏
右)モンデリーズ・ジャパン 取締役 マーケティング本部長 川鍋洋治氏

浅野氏は「マスという意味ではテレビCMが最も効果的で、エリアによってコスト効率も良い。しかしテレビ、ウェブ動画、SNS、交通広告など、各メディアに接触するターゲットに応じてクリエイティブを工夫する必要がある」と話した。

川鍋氏は「テレビと何を組み合わせると最もリーチが拡大できるのか、テレビの視聴者層と重ならないメディアを探したい。ただ一方で、どれだけ購入に近い場所で接触ができるかも考えている。例えば、テレビとアウトドアの相性が意外と良いことも見えてきた」と語った。

チャネルやモードの違いに応じた「クリエイティブの工夫」

浅野氏は「演歌番組の後にシニア向けの音楽CDの通販番組を放映したり、スポーツ番組の後にゴルフ関連商品の通販番組を放映したり、メディアに接するお客様に応じたクリエイティブを意識している。また年齢層が高い時間帯の通販番組では、分かりやすさを重視し、商品名を丁寧に伝えるなどの工夫をしている。一方で、深夜に放映する番組はスマートフォンで検索するキーワードを印象付けるなど、時間帯によってもクリエイティブを変える」と語った。

川鍋氏は「ガムを噛むこととSNSは親和性が高いためFacebook、Twitter、LINEなど、使用シーンにあったメディアを選んでいく。さらに、そのメディアごとに、ユーザーにより需要されやすいクリエイティブを開発するのも非常に重要になる」と話した。

クリエイティブを制作する際の「インパクトの考え方」

浅野氏は「新商品の発売時は認知獲得と理解促進を目的にしたクリエイティブにしている。ある程度、商品認知と理解が広がったタイミングで、インパクト重視にしたり、浸透型にしたり、使い分けている」と話した。

川鍋氏は「理想としてはリーチ一回で購入まで到達させたいため、インパクトの重要性は高いと考える。視聴者から注目してもらえなければ認知がとれないため、アテンションを取り、その上でどれだけ購入意向があがるか、ブランドに結びつくか、といった3つの柱で考えている」と話した。

クリエイティブを作る段階での「話題性・拡散性」

浅野氏は「話題性と拡散性を予測した上でクリエイティブを制作している。LINE、Facebookなど媒体によって、クリエイティブを変えているが、SNSについてはさらに知見を増やしていきたい」と話した。

川鍋氏は「狙ってはいるが、一般的な消費財にはSNSのシェアは非常に効果がある。それもメーカーの広告より、知人がシェアしたもののほうが売れると実証されている」と話した。

CMによる「ブランドビルディング」

浅野氏は「ブランディングは重要だが、そのためだけのクリエイティブはつくらない。あくまでも検索や購入していただくためのCMと考えている。もちろんショップジャパンらしさは、ブランディングの一環として伝えていきたい」と話した。

川鍋氏は「ブランドビルディングは重要だが、それが一番ではない。当社では購入促進につながることが大前提。そのうえで、ブランドにもつながるクリエイティブにしたい」と話した。

最後にモデレーターの岡野氏が「クリエイティブの改善は、人に感動を提供することや人の幸せのあり方を探すことと、企業の商品やサービスの結び方を発見していくこと。今日のパネルディスカッションをヒントに、今まで思いつかなかったクリエイティビティが発揮できるよう支援していきたい」と語った。



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